最近はできるだけ本を読んだり、映画を見て、インプットを増やすようにしています。
人に好きな映画や音楽、本やマンガ、アニメを聞いて、それに触れてみる時間がとても楽しいです。
自分が好きなものを好きなように楽しむだけでもいいとは思うのですが、それだと好みが凝り固まってしまいそう。
好みが凝り固まってしまうと、他の人や世代の違う人が好きなものを理解しようとしなくなってしまいます。
若い人に人気の音楽を知ったとき、それに触れる前から「どうせ」とバカにする人にはなりたくないと思っています。
まず聞いてから、売れているとか流行っているとかを抜きにして、自分がそれに触れてどう思ったのかを、純粋に考えられる人でありたいですね。
Amazon PrimeやNetflixに契約しているから映画やアニメは見放題、Spotifyを使っているから音楽は聴き放題。
本当にすごい時代だなと思いながら、そこにある作品をたまには自分でも眺めてみたりしています。
Amazon Primeで見つけて面白そうだなと思って早速見たのが「BOWIE THE LAST FIVE YEARS」という作品です。
タイトル通り、69歳で亡くなったロックスター、デヴィッド・ボウイが生きた人生最後の5年間を振り返ったドキュメンタリー。
僕自身、デヴィッド・ボウイの音楽はたまに聞いたり、レコードも何枚か持っているものの、入り口くらいの知識しかありません。
活動歴が長い分、膨大な数のアルバムを出しています。
音楽が好きな人でも「全部は聞いたことがない」というレベルなのだから、僕なんて更に一部にしか触れたことがありません。
僕自身、音楽や洋服に対しては、ただ作品に触れただけでは深く好きになることが少ないです。
好きは好きでも、一定以上に好きになるときは、奥にある人柄や考え方を知ることがきっかけになることが多いです。
アルバムの数が多すぎて、格好いいけれど全部は聞く気になれていなかったデヴィッド・ボウイ。
人柄を知って、より深くのめり込んでいくにはいいきっかけになるんじゃないかと思ったので見てみました。
結果としてこれまでにリリースされた数多くのアルバムに触れてみたくなったことはもちろん、有名になることの苦悩がとても強く見えました。
一般人の僕からすれば影響力を持っている有名人を羨ましく思うこともあるのですが、その裏にある葛藤も興味深いものでした。
名声は人を空虚な場所へ導く
最初は音楽をやりつつも、有名になりたいと思う気持ちがデヴィッド・ボウイ本人にもあったそうです。
ただ、一度名声を手に入れると、それにはすぐに興味がなくなったとのこと。
何度も書いているように、デヴィッド・ボウイは一生のうちに何十枚ものアルバムを出しているミュージシャン。
それだけの作品を出せるなんてアイデアの尽きない人間な訳で、その「有名になりたい」と思う気持ちの根底にある本来の目的は、アイデアの実現資金を得ることだったといいます。
スターになれば確かにお金も手に入るけれど、同時に不要なものまで手に入れたボウイは「ロックスターは他人のための人生だ」と発言していました。
人は誰でも承認欲求があって、今ならそれがあるから、満たすためにSNSをやっている部分も絶対にあると思うんです。
僕で言うなら、わざわざブログを書いてネットに公開するなんて、そういう部分が絶対にあるからです。
「チケットは取りやすくなるし楽屋にも入れる。レストランもいい席だが、それ以外は最低の人生だ」
そう発するデヴィッド・ボウイを見て、本物のスターだからこその悩みを垣間見ることができました。
ずっとカメラを回しているカメラマンに対して「プライベートの侵害だ、失せろ」なんて冗談半分で言って笑顔になるボウイ。
カメラマンに「ここだけ使うよ」と言われても、「分かってる、いつものことさ」と返す。
有名人による発言の一部だけを切り取って編集し、本人の意図とは異なる内容のニュースが生まれることって、多いですよね。
本物のスターはそんなことも覚悟した上で、その名声を手に入れたと考えると、腹の括り方に覚悟を感じました。
有名になることは、多くの人にとって本当の目的ではない
世界中にファンを持つスターがそんなことを言うのだから、きっと有名になることは、多くの人にとって本当の目的にはなり得ないのだろうと思いました。
たくさんのお金が欲しいとかも、きっと違う。
有名になりたいと考える理由のひとつって、自分のことを人に認めて欲しいからだと思っています。
認められることで自分の承認欲求を満たすことができるから。
自分が世の中から必要とされていることを、自分でも認識できるからだと思うんです。
デヴィッド・ボウイと同じように音楽をやっていても、有名になることを目的としていたら、途中で自分が本当は何をしたいのかが分からなくなってしまう。
ボウイの場合はアイデアの実現が目的だったから、亡くなる本当に間際まで作品を作り出すことができていた。
どうしてそれをやるのか、本来の目的設定の仕方に関して、とても考えさせられる作品でした。
いわはし
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