洋服を買っては手放して。大学生の頃に洋服への興味を抱いてから今に至るまで、ずっとその繰り返しを続けてきました。
いつか、この無限ループからも抜け出せるんだろうか?
そう思っていたものの、未だ抜け出せそうにはありません。というかこれ、一生抜け出せないのではないか、と思っています。
きっとそう。ファッションって結局は何よりも、自分の中の「飽き」と戦い続けることなんですよね。
どんなに気に入って買った服でもいつかは飽きる
ぼく自身、新しく洋服を買うときはいつだってワクワクしています。絶対に妥協を許さない買い物だけをする。
そう決めてからというものの、新しくクローゼットに加わる洋服の全てが宝物でした。
しかしそれも短ければ1年、長くても3年くらいでワクワク感を失ってしまうもの。
過去に「最高のお気に入り」として仲間入りしても、いつしか「もう着ないし必要なもの」として扱うようになってしまいます。
結局、ファッションって自分の中にある「飽き」との戦いでしかないんだなって、改めて思った瞬間です。
ある意味「一生モノ」は存在しない
そういった意味では、よく耳にする「一生モノ」って実は存在しないのでは、と思っています。
ぼく自身も服を買うときによく「これはずっと着れる。いつかぼくに息子が生まれたとしたら、そいつに譲ってやれるくらいには」なんて思ったりもしています。
その意味での「一生モノ」にはきっと成り得ると思います。その服自体が丈夫で、壊れても修理を重ねながら着ていけるのならば
「一生、モノとして存在し得る」という意味での、一生モノ。
しかし、買ったときの感情をずっと抱き続けることができる対象って、そういった意味での一生モノって実は存在しないんじゃないか?と思っています。
買った服にはいつか飽きてしまう。自分の気分を上げてくれる洋服との出会いって、その幸せって実はそんなに長くは続かないんじゃないかって。
着るからには絶対に妥協を許したくない。心底好きだと言える洋服に身を包まれていたい。
となれば当然、作りも凝ってくる訳で、それに伴って買うときにかけるお金も高くなってくる訳で。
でも買って2~3年ですぐに飽きてしまう訳で。ファッションって、全くお金のかかる趣味だなって本当に思います。でも、好きになっちゃったから仕方ない。
強いて言うなら買ったときの値段が高かった分、売るときも高く売れる分だけマシなのでしょうか。
経年変化を魅せてくれる服だけが一生涯の相棒か
最近のぼくは狂ったようにPETIT STANDARDを穿いています。夏になれば話は別ですが、今の時期は穿いていない日なんてほぼないくらい。
もはや相棒、第二の皮膚と言っても過言ではないこのジーンズですが、正直なことを言ってしまえばこいつにも飽きを感じていないかと聞かれればそうでもなくて。
カップルがいつまでも付き合いたてのフレッシュさを持っていないように、ぼくもこいつと出会ったときほどのワクワク感はもう抱いていません。
それでも穿き続ける理由はやっぱり、時の経過に伴って表情を変えていく楽しみ。経年変化にワクワク感を抱いているからなのでしょうか。
飽きを感じてはいる。それでも一緒にいる。もはやこいつとはカップルというよりも、夫婦と言った方が近いのかもしれません。
結婚して夫婦になれば、相手に飽きたなんて理由で簡単に離婚したりはしませんよね。する訳にはいきませんよね。それと一緒で。
PETIT STANDARDに関しては飽きを通り越して、愛着を覚えているんだと思います。
普段から常にワクワクを感じている訳じゃないけれど、いなくなったら寂しい。そんな存在なのでしょう。
こうした存在に成り得たのも絶対に、一切の妥協をせずに「このジーンズを買う」と選び抜いたから。
値段の安さに惹かれて妥協したりしていたら、きっとここまで穿き込むまでに売っていたことと思います。
いつでも絶対に妥協しない買い物をし続けて、それでも飽きてしまう洋服もあったり。
飽きすら乗り越えて一緒にいる洋服に関しては、もはや夫婦のような関係になって、飽きなんて関係ない次元で付き合い続けたり。
そこまで辿り着く洋服ってほんの一握りだと思います。クローゼットにはたくさんの洋服が眠っていますが、パッと思い浮かぶそれは今のところPETIT STANDARDだけ。
そんなことを考えると、洋服って本当にお金のかかる趣味だと思います。結局は飽きとの戦いか。でも、好きになってしまったものは仕方ない。
そうやってぼくは、これから先もずっと生き続けるのだと思います。いつか、たくさんの一生モノに囲まれていたらいいな、と思っています。
いわはし
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