ぼくは少し前から、左手の人差し指に似合いそうなシルバーリングを探しています。
せっかくだから存在感があって、長く愛用できるモノが欲しいと考えていました。
あれじゃない、これじゃない・・・と、納得いくまで色々なブランドのリングを探し回った結果。
辿り着いたのがCHROME HEARTSだったんですよね。
引用:http://www.kingsroad.gr.jp/SHOP/chr58.html
モデルはブランド立ち上げ当初から人気を誇る「フローラルクロス」のデザインをしたリングです。
芸能人がこぞってCHROME HEARTSのリングを愛用しているのは見てきたけれど、その人気は伊達じゃないんだと。
数々のリングを目にして、人と被るような有名ブランドは嫌だと思いながらも、やっぱりここにたどり着く。
あのホンモノの品格と、他のどんなブランドにもない雰囲気は支持を得て当たり前なんだな・・・と。
CHROME HEARTSのシルバーアクセサリーは、ファッションを愛する人たちが辿り着く最終地点のひとつでしょう。
CHROME HEARTSのリングは、偽物で溢れかえっている
しかしフローラルクロスリングの定価は、学生のぼくがそう簡単に買えるレベルではありません。
その定価は12万円近い。ついこの前、10万円のライダースジャケットを買ったぼくは余計に手が届きません。
半年ほど前にもぼくの中でCHROME HEARTSのマイブームが起こり、キーパーリングを買うことも考えました。
・・・が、今はそれを欲しいと思っていないし、実物を見ても「ぼくには似合わないな」と思っていたんです。
それゆえ今回もこの熱が一時的なものなのかを確かめるべく、すぐには買わず様子を見ようと考えているところ。
「ブランド古着屋で安く買えないかな」と調べましたが、人気ブランドであるがゆえ偽物も多く出回っています。
CHROME HEARTSは本当に偽物が多いので、下手なブランド古着屋で買えばそれを掴む可能性もゼロではありません。
新品(12万円)で確実に本物を買うか、偽物の可能性に取りつかれながらも中古(6万円)で安く手に入れるか。
こんなことを考えていると、そもそも本物にこだわる意味って何だろう?
偽物のCHROME HEARTSを身に付けるのって、どうして嫌なんだろう?
なんて、一見すると当たり前のことを考え始めてしまいました。
ブランド物は、身に付ける人の背筋を伸ばしてくれる
CHROME HEARTSが使っているシルバー素材って、飛び抜けて質がいい訳でもないんですよね。
こんな言い方をしてしまうのも、ぼくが洋服を選ぶときはブランドや価格よりも質の善し悪しを重要視しているから。
・・・しかしCHROME HEARTSの場合は別でした。
使っているのはシルバー925という至って普通の素材。
それでも、他のブランドには真似できない唯一無二の雰囲気を放っているのが本当にすごいところ。
こればっかりは、この雰囲気に10万円超を払うだけの価値は確実にある。
と、ぼくは強く感じています。
でも、言ってしまえば本物も、それを真似した偽物もデザインは全く同じです。
もちろん雰囲気は全く違うので、見る人が10分も見ればその判断は付くのでしょう。
ファッションに関心がある人じゃないと知らないのがCHROME HEARTS。
ブランドを知らない人もたくさんいるので、パッと見でそれが本物かを判断できる人も少ないでしょう。
それでも偽物のCHROME HEARTSを身に付けるのはどうして嫌なのか?
その答えは、もはや「おしゃれ」という他者評価の上に成り立つ概念とは程遠い所にありました。
そこにデザイン性じゃなく「本物であること」という条件を求めるのは、誰のためでもなく自分のため。
ブランド物が、身に付けるぼくらの背筋を伸ばしてくれるからなんです。
「おしゃれ」だけを追求する人がいる限り、偽物は絶えない
CHROME HEARTSのデザイン性だけに魅力を感じているのなら、偽物を手にすることにもさほど抵抗はないはずです。
デザイン性だけを求めているのなら、それを模った偽物にもさほど大差はないから。
無論、現にそういう人がたくさんいるからコピー品を販売する業者にも需要があるのでしょう。
また偽物が大量に流通するからこそ、本物の価値が上がるのも事実です。
絶対に本物を手に入れたいなら、高いお金を出してでも定価で買うのが何より安心ですからね。
CHROME HEARTSにデザイン性とは違った何かを求めている人は、間違っても偽物は買わないはずです。
本物を手にすることでしか得られない満足感を追求するから。
他者評価よりも、身に付けることで得られる何かを追求するから。
ブランド志向の日本人にも2種類いる
こういった話をすると、必ず
「とりあえずブランド物を身に付けていればいいと思っているんでしょう」やら、
「ブランド物を身に付けることでしか承認欲求を満たせないんだ」
なんて話になりますが、それってぼくは違うと思うんですよね。
確かに日本人は無類のブランド好きです。
ブランド古着のビジネスが成り立つのも、日本人が服の質やデザインよりもブランドに価値を見いだしているから。
ぼくは、こういったブランド志向の日本人にも2種類いると思っているんです。
ひとつは、先で挙げたように「とりあえずブランド服を着ればいい」と思っている人。
そしてもうひとつは「そのブランドの価値を見極めた上で、そこにしかない何かを追求している人」です。
服を選ぶときに自分なりのこだわりを持たず、ただブランド服を着ている人のファッションは一瞬で分かります。
尖った言い方をしてしまえば、そういった人のコーディネートはどこか薄っぺらい。
背景にその人なりのストーリーを微塵も感じられないんですよね。
一方、ブランドの価値を見極めた上で、そこにその人なりの何かを追求している人のファッションは美しい。
一瞬で「ああ、この人は本当にファッションが好きなんだろうな」なんて、その気持ちが伝わってくるんですよね。
本当に洋服が好きな人のファッションには、その背景にあるストーリーが浮かび上がってくるものです。
皆それぞれ、各自が胸を焦がしたストーリーを追い求めながらファッションを楽しんでいるんですよね。
だから、何の背景もなくブランド服を着ている人と、何かを追求しながらそれに手を伸ばしている人を一緒にしちゃいけない。
この違い、洋服が好きな人には一発で分かります。
究極の服好きこそ、ブランド志向になっていく
結局は究極に服が好きな人ほどブランド志向になる傾向にあります。
どこかオタク気質があって職人的で、そこにしかない何かを徹底的に追求する。
こんなことって、それぞれのブランドが持つ価値を見極めた服好きにしかできないんですよね。
洋服を選ぶときは、絶対に決めた条件に対し妥協しない。
そして「この条件を満たせるのは、あのブランドしかない!」と、一点集中で狙い撃ちするような。
もしくは古着を買うときだったら、特定のアイテムに狙いを定めて。
ぼくが他のどんなブランドでもなく、CHROME HEARTSのリングに魅力を感じる理由はこれでした。
他のどんなブランドにも真似できない、ぼくの求めていた雰囲気はCHROME HEARTSにしか出せないものだったから。
「日本人はブランド志向だ」とよく取り上げられるけど、それを一概に批判しちゃいけません。
本質的にブランドの価値を理解している人のファッションには、そんな人に真似のできない深みがあるんですよ。
いわはし
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