こんにちは、いわたです。
突然ですが…皆さんはインポート(海外)ブランドの服は好きですか?
パリやミラノで行われる輝かしいコレクションに登場する服には憧れを抱くかもしれません。
ぼくもその1人で、見ているだけでうっとりするインポート(海外)ブランドの美しい洋服は大好きです。
けれど、ぼくがもっと好きなのはドメスティック(国内)ブランドの洋服たち。
ぼくもやはり日本人。MADE IN JAPANにこだわって飽くなき挑戦を続けるデザイナーさんが作る服が大好きなんです。
その「MADE IN JAPAN」は本物か
先日ぼくはこんな記事を読みました。
▶ファッション・アパレル業界における『メイドインジャパン』『日本製』の真実 – ビルメンデス
『メイドインジャパン』、『日本製』という表示の基準というものはかなり大雑把というか適当な部分があって、これは製造業で働く人なら何となく知っているかと思いますが簡単に言えば『最終の工程が日本であれば日本製の表示ができる』となっています。アパレルで言えば、中国製の生地を中国の縫製工場で縫って、日本へ輸入し、仕上げのボタン付けのみを日本で行ったとしても、日本製表記ができてしまうという事。日本製と書かれてるからといって、全てが日本で作られているわけではないのです。
引用:ファッション・アパレル業界における『メイドインジャパン』『日本製』の真実 – ビルメンデス
この記事は以前アパレル業界で働かれていた筆者さんが目の当たりにしたMADE IN JAPANの現状です。
なんともグレーな製造業のルールのせいで、どれが本物なのかすらわからない。
今や製造の工程を一貫して日本で行っている正真正銘のMADE IN JAPANはほとんど存在しないのかもしれませんね。
ぼくが着ている服にもMADE IN JAPANの表記はありますが、これも「本物」とは限らない。
今の日本を代表するブランドの中でも、本物のMADE IN JAPANを貫いているブランドは少ないかもしれない。
MADE IN JAPANのブランドを保つために最終工程だけ日本の工場で行い、それ以外は賃金が安い中国の工場へ。
ただでさえ日本の職人さんの仕事は減っているのに、ブランド側も「仕事を与えてやっている」といった態度で単価を値切る。
こんな状況の業界で、MADE IN JAPANの価値が下がりつつあるんです。
職人魂が光る究極のMADE IN JAPANジーンズ、Libertad(リベルタ)
引用:これが本物の「Made In Japan」!「神×神」が造る、究極の国産ジーンズ – CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
そんな落ち込んだアパレル業界の中でも、正真正銘のMADE IN JAPANを貫きながら服作りを行っているブランドも存在します。
それが京都を拠点とする日本のブランド、Libertad(リベルタ)です。
デザイナーは学生の頃から365日ジーンズを穿き続けているという西尾優さん。
21歳の頃に独学でジーンズ作りを勉強し、以降アパレル業界にて高い評価を受けている実力派のデザイナーさんです。
ぼくは西尾さん、そしてLibertadが作る正真正銘のMADE IN JAPANジーンズに惹かれました。
そして1本のジーンズを手に入れたので、そのディテールやこだわりを隅々まで紹介していきますね。
Libertadのノンウォッシュジーンズ、Jimbabwe(ジンバブエ)
Libertadのジーンズには大きく分けて2種類あります。
リジッドデニムをリリースするRaw Collectionと、ヴィンテージ加工を施したデニムをリリースするUltimate Vintage Collection。
今回ぼくはRaw Collectionより、1番人気のJimbabwe(ジンバブエ)というモデルを手に入れました。
ちなみに先程から「デニム」と「ジーンズ」といった2つの単語が出てきていますが、
意味合いとしては「デニム」は生地の名称を、「ジーンズ」はデニム生地を使ったボトムスを指しています。
後ろから見るとこんな感じ。
Libertadのジーンズにおいてそのシルエットには「Cigarette」と名が付いています。
細身で綺麗なテーパード(裾へ向かって細くなる)シルエットが特徴。
こだわりの詰まったフロントディテール
フロントはドーナツボタンによるボタンフライ。
リジッドデニムの場合はジップよりもボタンフライの方が生地に凹凸ができて経年変化を楽しめます。
腰部分にはシンプルについたブランドタグ。
主張しすぎないシンプルなロゴが素敵ですね。
旧式の力織機で織られたセルビッジ(赤耳)のディテールがベルトループにも。
他のジーンズとは異なる場所に配置されていて、ベルトを通した際のズレが少なくなるよう考慮されています。
更にフロントポケットには通常よりも太い糸が使われているので、モノの入れている内にほつれてしまう心配はまずありません。
裾をロールアップすると赤耳が表れます。
裾部分は下糸にだけ赤糸が使われているので、ロールアップしたときにアクセントがあって楽しい。
バックポケットの凝ったディテール
バックシルエットはこんな感じ。
こちらもひとつひとつ見ていきましょう。
ベルトループ付近にはブランド名の入った革パッチが付いています。
これも経年変化が楽しみです。
そしてぼくが最も感動したのがここ。バックポケットを接写しています。
バックポケットには糸でステッチ(刺繍)を入れて個性を出すブランドが多い中、Libertadのジーンズには何やら1本の線が。
そう、この線は糸によるものではなく、デニム生地を重ねることで表されているんですね。
つまりバックポケット部分は生地が2重になっています。このデザインがとても好き。
ジーンズを裏返してみると現れるポケット。
ここには9Aスレーキという最も強度のある生地が使われており、他のどんなデニムよりも強度は抜群。
これだけポケットの強度にもこだわって作られたジーンズは初めて見ました。
なんと2年間穿いて穴があいたという報告は一切ないそうです。
内側に縫い付けられたMADE IN JAPANのタグ。
生産工程の全てを日本で行っているLibertadだから名乗ることを許された正真正銘のMADE IN JAPAN。
穿いたときのシルエットは天下一品
そしてここからがLibertadによるジーンズの見せどころ。
いくら平置きして見たところで、ジーンズのシルエットは実際に穿いたときにどう見えるかが最も重要なんですよね。
これが実際にLibertadのリジッドデニム、Jimbabweを穿いたときの着用画像です。
細身で肌に吸い付くようなシルエット。特に注目して欲しいのはもも周りです。
この部分がピタッとしているのですが、それでいて細すぎず太すぎずの絶妙なバランスが足を通すことで綺麗に栄えます。
今後の洗濯による縮みを考慮して、軽くクッションが残るくらいの長さに裾上げをして頂きました。
そのため少し裾周りに余裕があるように見えますが、ロールアップして穿く予定。
写真ではありのままの姿を伝えるためにあえてロールアップしていません。
着用者目線で見るとこんな感じ。
もも周りの綺麗なシルエットと、裾へ向かって自然でゆるやかなテーパードがかかっていることが伝わりますでしょうか。
色落ちと穿きやすさにこだわった作り
このJimbabweは最高級のジンバブエコットンを使って作られているとのこと。
そのこだわりは足を通すことで伝わってきました。
リジッドデニムは生地に糊が付いているので穿いたときの肌触りもゴワゴワしているのですが、Libertadのジーンズにはそれがない。
他のブランドによるジーンズよりも肌に触れる部分の生地がツルツルしていて心地良い印象を受けました。
もちろんリジッドなので最初は少し硬いですが、13.5ozと重すぎず軽すぎずの生地を使った非常に実用性に長けた1本。
ぼくが持っているA.P.C.のプチスタンダードは14.5ozと比較的重めなので正直夏は暑くて穿けないかも。
けれどLibertadのJimbabweは通年穿いてガンガン育てられちゃいます。
季節を問わずどんな服とも合わせやすい色味とシルエット、生地のオンス。
まさにマルチプレーヤーであり最高の相棒となる1本です。めちゃくちゃ愛着が湧きそう。
それで気に入って毎日穿いても耐えられるだけの頑丈な作りになっているので、もうガンガン穿き込んでいきます。
Raw Collectionのラインナップ
今回はリジッドデニムのRaw CollectionよりJimbabweというモデルを紹介しましたが、Libertadのジーンズはラインナップが豊富。
Raw Collectionには他にもたくさんのモデルが存在します。
上品かつロックなブラックデニム Buddy(バディ)
穿き込むとダークグレー寄りな色落ちを見せてくれる1本。
縦糸、横糸共に黒を使った正真正銘のブラックデニムですね。
生地の立体感が際立つLucille(ルシール)
白いジーンズは汚れが目立つので必然的に選択回数が増えてしまう。
それを考慮して生地の丈夫さを追求した1本。
そこまで追求して作れられるデニムなんてそうありません。
光沢のあるACT加工を施したTyler(タイラー)
穿き込んだときの色落ちと、そのための穿きやすさを徹底的に追求したTyler。
光沢のある「ACT加工」を施した13.5ozの生地が大きな特徴です。
「青耳」が特徴的なPure Indigo(ピュアインディゴ)
赤耳ならぬ青耳が特徴的なPure Indigo。
浅めの染色によって早期に鮮やかなブルーの色落ちが楽しめるんだとか。
リジッドデニムの楽しさを知るにはもってこい。
Ultimete Vintage Collectionのラインナップ
ジーンズ作りの神と呼ばれる職人さんが作り上げた1本に、同じく神の手を持つ職人さんが加工を施すUltimate Vintage Collection。
まさに「神×神」による至高のヴィンテージ加工ジーンズを販売するラインです。
もはやオーダーメイドジーンズなWeiland(ウェイランド)
バチバチのヴィンテージ加工が最高にかっこいいWeiland。
1本作るだけでも大変な時間がかかるため量産は不可能。
そのため月に5本しか生産されない完全受注生産のプレミアムジーンズです。
ジーンズの裾上げを行ってから加工を施すオーダーメイドのこだわりっぷり。
全てのジーンズマニアに試してほしい1本
引用:これが本物の「Made In Japan」!「神×神」が造る、究極の国産ジーンズ – CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
MADE IN JAPANによる服の価値が下がりつつある中で、正真正銘のそれを貫きながらジーンズを作り続けているLibertad。
Libertadの服には「衰退する日本の工場と技術を守りたい」というデザイナー西尾さんの想いも込められています。
ぼくも何度か西尾さんとメールでやりとりをさせて頂いたのですが、服作りに対して非常に熱い考えをお持ちの非常に素敵な方でした。
そしてデニムの醍醐味といえば穿いて育てる過程にある色落ちや経年変化ですよね。
当たり前ですがそれを楽しむにはジーンズ自身の耐久性と持ち主の愛情が必須。
Libertadのジーンズはポケットが丈夫な生地で作られていたりと、耐久性をしっかり考慮して作られています。
一切の妥協を許さない研究の上に生まれた体にフィットする美しいシルエット。
日本の職人さんによって1本ずつ丁寧に縫い上げられた至高の品質。
これらの要素がたくさん詰まったLibertadのジーンズは、持ち主にとって最高の1本となること間違いなし。
たくさんの愛情を注がれたそれは持ち主と一緒に歳をとり、持ち主にしか出せないアジを出し、持ち主にしか似合わない1本になる。
1本あれば長く穿けてかけがえのない相棒になる。
コーディネートを組むときに自然とその相棒をベースに考えるようになる。
こんな素敵なファッションの楽しみ方が、Libertadのジーンズならできちゃいます。
いわはし
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