ほぼ3年ぶりに眼鏡を新調しました。
元々目が悪かったけど、ちゃんとしたブランドの眼鏡を初めて買ったのは4~5年くらい前。
地元にとても素敵な眼鏡屋さんがあって、ふらっと入ったそこで気に入ったYUICHI TOYAMAの眼鏡を買ったのが最初でした。
その次に使っていたANNE ET VALENTINの眼鏡を買ったのは、特に眼鏡を新調したい、とかは何も思っていなかったとき。
友達が新しい眼鏡を探してるというから、そのお店に連れて行ったら、僕の方が気になるフレーム、ANNE ET VALENTINのそれに出くわしたことがきっかけでした。
5万円のフレームをパッとは買えず迷っていると、素敵なデザインなだけに狙っている人も多いと店員さん。
焦らせる訳じゃ全くなかったのだろうけど、その日は結局買わないままお店を後にした僕は、もう売れ残ってはいないだろうと諦めながらメルカリで探してみた。
すると最初に見た日からいくらか経ってから状態の良いそれを見つけたので、そのまま購入。
都内のお店でレンズを入れ替えてもらって、つい最近までメインで使っていました。
(メルカリで買ってしまったので、その眼鏡屋さんにはどこか後ろめたくて今まで行けずにいました)
「メインで」とはいっても、僕は眼鏡を数本持ちながらその日の気分や服装に合わせて変えたりするタイプじゃない。
1本をとことん気に入って、それがもう使えなくなってしまうまでは愛用するタイプ。
だけど今回、眼鏡を新調した理由はANNE ET VALENTINのフレームが壊れたからじゃない。
今年の春頃から眼鏡屋さんで働きはじめて、今まで以上に眼鏡に対して興味を持ち始めたことがきっかけでした。
働きながら眼鏡のデザインや、そのディテールが採用されている理由、効果なんかを教えてもらうと、今まで以上にぐっと興味を持つようになりました。
最初の最初、目が悪くなった頃の僕にとって眼鏡は視力矯正器具でしかなかった。
それが今ではファッションの一部、いつしかコンタクトレンズを使うことが全くなくなって、ここ数年はもうずっと眼鏡を掛けて生活をしてる。
お気に入りの1本があればそれでよかったところに、何本か持っておいて使い分けてもいいんじゃないか、と思うようにもなってきた。
新しく買った眼鏡は、日本を代表する老舗ブランド「EYEVAN」のもの。
それまで視力を矯正するための道具でしかなく、デザイン性など皆無だったと言われている眼鏡。
そこに初めてデザイン性を加え、雑誌やメディアへ向けて広告を打ち出し、ファッション小物としての側面を与えた偉大な功績を持つのがEYEVANというブランド。
眼鏡屋さんで働いている今、日本の眼鏡業界でも大きな存在であるブランドの眼鏡をまずは1本、持っておきたい。
お店で買う最初の1本は普遍的なデザインで、クラシックな雰囲気のあるものがいい。
そんな気持ちがあって選んだのが、フレンチヴィンテージが再ブームの流れにある中で生み出された「Sadler」というモデル。
細身のメタルフレームばかり買ってきた自分には、太めのセルフレームは何だか新鮮。
自分の顔に乗っているところを鏡で見ても見慣れない。
ただ、ひとまず似合ってはいるみたいだから本当にただ見慣れてないだけなんだと思って、高頻度で掛けてみることにする。
髪型を変えて、などしながら色々と試してみると、段々と似合うようになってきた気がしてる。
あと、買ってみたのは実際に自分でお金を出して、働いているお店で眼鏡を買う経験をすることで、仕事にもより身が入るようになると思ったから。
EYEVANのメガネは取り扱っているし、自分でも愛用することでブランドやフレームへの理解度が増して、より説得力と熱量を持って接客ができるようになれば。
日頃からお客さんの眼鏡を加工してるけど、自分でも高いお金を出すことでよりお客さんの気持ちに近づけるかも、責任感を持って仕事をできるようになるだろうと思った。
フレームとは別の話なので他で記事にしたいけど、グレードの高いレンズを入れて自分でも愛用することでお客さんにもその良さをより具体的に伝えられるだろうと思った。
調光レンズを入れたので、それが具体的にどれほど便利なのか、実際に使って確かめた上で接客ができればと思った。
とか、単純に「Sadler」のデザインをいいな、と思ったこと以上に、買おうと思った理由は色々あった。
ただ調光レンズを入れた眼鏡を1本作っちゃえば、今後は「デザインを気に入った」という理由以外ではサングラスを買う必要があまりなくなりそうなことを思うと、それはシンプルに便利そうだった。
フレンチヴィンテージ”パリジャン型”をモチーフに作られたEYEVAN「Sadler」
セルフレームの眼鏡といえば、それまであまり詳しくなかった僕の中では「ボストン型」と「ウェリントン型」のふたつが人気を二等しているものだと思ってました。
実際にその認識は今でもそこまで大きくは変わってない中で、Sadlerのようなやや角ばった、それでいてスクエア型と呼ぶには少し丸みのある形が僕の目には新鮮に映りました。
僕がANNE ET VALENTINのフレームを買った3年くらい前、それよりもっと前から眼鏡業界ではフレンチヴィンテージが流行の波としてひとつあったようです。
その代表的なディテールとして、リムの上部が角張って王冠のような形をした「クラウンパント」が人気を博していた模様。
フレンチヴィンテージ人気は相変わらずで、今でも色々なブランドが新作にそのディテールを取り入れて発表しているみたい。
四角くボリュームのある形状は「パリジャン型」と呼ばれるもので、フランスでは定番中の定番の形。
1940年代のこれらは今でも高値で取引されているようで、実際にネットで当時のフレームを調べてみたりすると本当に格好いい。
それぞれのレンズに橋渡しをするポイント、その名の通りブリッジの形状にもフレンチヴィンテージのデザインを忠実に再現したディテールが。
レンズ間の隙間が鍵穴のような形をしていることから「キーホルブリッジ」と呼ばれるこれ。
レンズ間の距離を詰めて掛け心地を良くするためという実用的な理由はもちろん。
鍵穴を覗くというタブーな行為を擬似的に感じさせる、それによるミステリアスな雰囲気を付随させるため、といったような説もあるようです。
肉厚な生地で作られた、しっかりとした存在感を持つ太めのテンプル。
これだけ太い生地だと、べっこう柄による模様の色合いを存分に味わうことができます。
肉厚なテンプルとリムをしっかりと繋ぎ合わせる重厚な7枚蝶番。
しっかりと繋ぎ合わせた3点カシメは耐久性はもちろん、前から見たときのアクセントにもなっています。
このカシメによる堅牢さが、クラシックな雰囲気を醸し出していたり。
テンプルエンドにはブランドを象徴するロゴマークが光ります。
フレンチヴィンテージのクラシックな形、パリジャン型をデザインソースに生み出された「Sadler」
今でこそguepardの台頭で馴染みのある形になりつつありますが、それでも僕にとっては新鮮味を感じる形で、すごく愛着があります。
色々なフレームを目にする中で、こういう太縁はきっと好きな方。
掛けて似合うようになるために、髪の毛を上げてみようとか伸ばしてみようとか、眼鏡をベースにファッションを考えてみるのも楽しいことに気付きました。
オーバーな言い方かもしれないけど、ある程度ちゃんと選べば髪型次第で似合う眼鏡の幅は、きっと広がるんじゃないかと思ってます。
洋服に興味を持ったことから眼鏡にも気を遣うようになり、ついには今までずっと興味のなかった髪型にも少しずつ気を遣うようになってきたのは良い流れ。
ひとまずはSadlerをきっかけに、髪を伸ばしてみようかなと思ってるところです。
いわはし
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