「映画大好きポンポさん」という映画を見ました。
原作はネット上で小説や漫画を連載できるサイト、pixivで公開されていて、そこからの人気で映画化された作品のようでした。
物語の内容を簡単に書くなら、主人公のポンポさんは名物映画プロデューサー。
映画を作るにあたってプロデューサーや監督が考えていることを、可愛らしいタッチのキャラクターに落とし込んだアニメ映画です。
僕は少し前にアニメの映像研には手を出すなを見て、アニメってこういう風に作られているんだ、面白いなと思ったのですが、
似たニュアンスでそれを映画というテーマで描いている作品でした。
エンタメっていうのは難しいもので、人は絶対にそれを求めてるけど、作って終わりじゃなくて、ある程度の数の人にお金を払ってもらわないと仕事としては成立しないですよね。
もちろん全部の仕事がそうで、会社員はそれを会社っていう組織の中の1人としてやってるだけの話だけど。
多くの人に見てもらう必要がある映画っていうものを作る人は、やっぱり多くの人に好いてもらえることを前提に作品を作るものだと思っていました。
しかしこの作品の中に登場する監督たちは逆のことを言っていて、誰に何を感じて欲しいのかまでを細かく考えることで作品の輪郭はハッキリすると言っていました。
八方美人な作品を作って誰からも微妙にしか好かれないよりも、ある1人だけに愛してもらえることを意識することで、結果的に似た感覚を持った人たちからも支持を得ることができる、みたいな話。
ビジネスで言うならペルソナを決めるみたいなこと。
特に今みたいにSNSがある時代こそ、そうやって突き詰めた作品を作り上げる方が大事で、似た感覚を持った人に少しずつ知られていく、という広がり方をしていくイメージなのかなと思いました。
それに映画に登場する監督は何より映画が好きな人でした。
僕はpodcastの音楽番組のスタッフをもう3年くらいやらせてもらっていて、そこでミュージシャンの方にお会いする機会が沢山あるのですが、音楽をやってる人はやっぱりみんな音楽が好き。
だから格好いい曲を作れる。好きこそ物の上手なれってよく言うけど、それは本当なんだなって、改めて思いました。
好きだからこそ初めていいものが作れる。
そういう意味では好きなものがあるっていいなとか、オタクって格好いいなと僕は思っていて、洋服も音楽も好きだけど、四六時中考えるほど好きなものがないぼくは、そこに密かにコンプレックスと憧れを抱いているし羨ましいと思いました。
多くの人を喜ばせていたり、価値を与えていたりする作り手の思考というものに興味がある僕には、とても面白くて学びのある内容でした。
自分が好きなことと、大衆に求められているもの、どっちを作るべきかみたいな、例えばブログを書くにしても一度は考えること。
上手くバランスを取ってやるのがいいのかなとか、未だに分からないし考え続けることですが。
好きなことを続けていった方が格好いいし、結果的にそれがお客さんの強い熱狂をも生むんじゃないかと、この映画を見て思いました。
いわはし
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