吉祥寺のヨドバシカメラに行ってきました。
腕時計のベルトを交換してもらうのが目的でした。
「それじゃあ、15分くらいかかるので」
15分だったら、ヨドバシの中をフラフラしてるだけで、あっという間かもしれない。
そう思ったので、館内でその他に欲しかったオーディオ周辺の小物を買ったりして時間を潰していました。
それでも少し時間が余ったので、館内をもう少しフラフラすることに。
吉祥寺のヨドバシカメラの最上階には、GUがあります。
しばらく服を買いに行くこともなかったし、ましてや服屋さんに行くことはあっても、GUやUNIQLO、ファストファッションのお店には久しく行っていませんでした。
もういい年になったし、服を買うにしても、それなりにちゃんとしたお店で買ったものにしよう。
ブランド古着屋さんだったり、リサイクルショップで服を買うことが多い僕も、そんなことを思う年齢になったみたいです。
とはいえ、せっかく同じヨドバシ館内にGUがあるなら、行ってみよう。
コロナの影響を大きく受けたファッション業界。
GUはただでさえ安い商品の価格を、今年の春からは更に下げて、薄利多売で利益を狙いに行くという記事をネットで読みました。
そこまでするなんて、いくらこれまでに獲得したお客さんにも「安っぽくて着れない」なんて、愛想を尽かされるんじゃないか?
とか思いながら、少しの勉強の側面も兼ねてGUがある、ヨドバシカメラの8階へと登りました。
お店に並んでいる商品を見て触れてみると、大体の商品には「まあ、この値段なら品質はこんなものなのかな」と感じました。
それでも時々、比率で例えるなら1割くらいは「マジかよ」と思う商品もありました。
こんなに安い値段なのに、生地のクオリティーはまあ、そこそこ。
それでも綺麗なシルエットと、お値段以上の品質を誇っている商品もありました。
かなり前にGUに行ったときも、5,000円くらいで質も良くて形も綺麗なジャケットを売っているのを見て、驚いた記憶があります。
こんなものを5,000円で売られたら、デザイナーズブランドはまだしも、中価格帯のブランドは絶対に涙目だろう、というクオリティーのものです。
それから1年は経ったと思うのですが、今日見た「1割のアイテム」は、一部のデザイナーズブランドをも切迫させるクオリティーだったと思うんです。
結論から言うと、今日僕はそのアイテムのうち、ひとつを買いました。
これは「GUだから」というブランドイメージから来るものなのかは正直分かりませんが、主観的に見ると少し安っぽさを感じる生地感なので、頻繁に愛用することはないかもしれません。
それでも、パッと見の印象ではデザイナーズブランドと比べても遜色のない、なかなかに高い完成度を誇っています。
GUの「バルーンアンクルパンツ」
パッと見た瞬間すぐに、このアイテムを作るにあたって参考にしたであろうブランドの定番デニムパンツが、パッと頭に浮かびました。
きっとあれを参考に形を作っては縫製して、製品化したんだろうと想像できます。
本当はその、参考元になったアイテムを欲しいって、少し思っていたところでした。
明らかにそのアイテムを参考にして作ったであろう商品が目の前に、服作りに造詣の深い訳じゃない僕が比べる限り、ほぼ遜色のないシルエットで並んでいる。
売っている値段も、本家の1/10くらい。
「まあ、着なくなったら部屋着にもできるし」
とはいえ、気に入ったらずっと履いたっていい。
あまりにも安い値段だと、そんな感覚でサラッと買うことができてしまいました。
2,000円にも満たない値段の服を買うのは久しぶりでした。
少し生地に安っぽさを感じる部分に目を瞑れば、前々から「こういう服が着たい」と思っていたものを、圧倒的な安さで手に入れることができてしまう。
これが「GUで買ったけど、やっぱり満足いかないから、最初から欲しかったデザイナーズブランドのアイテムの方も買おう」
そんな風に思われることって、本当に数少ないと思います。
そう思うと、品質の他にも「そこならでは」の特徴を持っているブランドじゃない限り、これからも売上を得ることは、とんでもなく難しくなっていくんじゃないかと思いました。
替えの効かない個性を持っていること。
それを持っているブランドが、果たしていくつあるのか。
GUのようなファストファッションブランドも、大量生産をするために縫製をお願いする拠点はもう、数年前から中国ではなくなっているようです。
もっと安い賃金で、日本で同じ金額を払って以来するよりも圧倒的に多い数を縫ってくれる国、バングラデシュに大量の縫製を依頼していることが、内タグを見ても分かります。
GUがこのまま、商品の品質を更に上げていったらと思うと、恐ろしさすら感じます。
コロナの影響を受けて、打撃を受けていないブランドの方が少ないと思います。
それでも今日、GUの服を買った僕は自分の気持ちに正直でありながら、どこか複雑な気持ちにもなりました。
「安いから」って理由で服を買えるのは、飽きたらすぐにポイっと捨ててしまえる理由にもなると思います。
そういう価値観で、僕も含めて多くの人が服を買うようになったのは、供給過多な状況が続いて、消費者が服を買うサイクルを早めたことにより、業界が自らの首を締め続けたツケが回ってきたからではないか、とも感じています。
自分が服を買う理由や、ファッションに対する価値観。
そういったものを改めて考え直して、自分なりにも買い物をする動機について、改めて見直してみたいと思う経験でした。
洋服を着るのは、買うのは何の為なんだろうか。
いわはし
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