ぼくは普段からSpotifyの有料会員として音楽を聞いています。
Spotifyには素敵な機能があって、年末になると、その年によく聞いていたミュージシャンや楽曲をランキング形式でまとめてくれたりするんですよね。
ちなみに、ぼくが2019年によく聞いたミュージシャンや楽曲のランキングは上の画像の通り。
2019年の最初に坂本慎太郎さんの「死者より」を聞いたことをきっかけに、謎だらけで不思議で奇妙なのに中毒性の高すぎる楽曲にドハマり。
そこから狂ったように坂本慎太郎さんのアルバムを聞きまくり、2019年は断トツでトップになっています。
5位にはゆらゆら帝国が入っているので、トップ5中、坂本慎太郎さんが2回もランクインしているという結果になりました。
楽曲のランキングとしては、折坂悠太さんの逢引が1位でした。
この曲も断トツで繰り返し聞いていた記憶があります。
逢引が収録されているアルバム「平成」はレコードでも持っているので、サブスクとアナログを合わせて聞いた回数なら群を抜いて1位であることは間違いありません。
Spotifyを始めてからようやく洋楽を聞くようにもなりましたが、それでもこうして振り返ってみると聞いているのは日本の曲ばかり。
メロディーが好きというのもあると思いますが、自分でも思う一番の理由は、日本語の歌詞や言葉にあります。
やっぱりぼくは日本人なので、日本語のメッセージの方が受け取りやすい。
それに小説を読むことや、こうしてブログで文章を書くのが好きなこともあり、言葉や人から発せられるメッセージには特に関心があります。
音楽は心を癒すものだったり、文字通り音を聞いて楽しむものだったりと、人によって楽しみ方はたくさんあると思います。
ぼくの場合、洋楽を聞くようになってからは、言葉の意味こそ分からなくても、それらの曲をひとつの芸術作品に近い形で受け取って聞いています。
美術館に行って絵画を見ることと、似た感覚です。
対してやっぱり好きな日本語で歌われた曲に対しては、発せられるメッセージに共感したり、胸を打たれたりしながら聞いています。
だからあまり内容のないメロディー先行の歌詞はそんなに好きではなくて、その人の感じていることや覚悟の綴られた歌詞にグッと来てしまうんです。
それを大切にしながら音楽を聞いているぼくが、2019年の春頃に初めて聞いてから、ずっと魅了され続けているシンガーソングライターがカネコアヤノさん。
ぼくは今までロックバンドばかりを聞いてきて、女性のシンガーソングライターさんをたくさん聞き込んだ経験はありませんでした。
それでも2019年、一気に大好きになってしまったカネコアヤノさん。
音楽のジャンルや形に固執するつもりはありませんが、カネコアヤノさんの曲にはロック以上の魂を強烈に感じるんです。
自分が思っていることに対する強い意思と、聞いている人のことを肯定してくれるかのような歌詞。
誰が何と言っても、どう思われても、自分がやりたいようにすればいい。
人の目なんて気にしないで、自分が好きなように、思いっきり生きていこう。
曲を聞いていると、そうやって肯定してもらっているような気持ちになるんです。
カネコアヤノさん自身がそう思っていることを歌詞に反映させているから、聞いている人もありのままの自分を肯定することができる。
変な言い方かもしれませんが、「頑張らなくてもいいんだよ」と言ってもらっているような気分です。
ぼくは今まで音楽には、頑張りどころでもう一踏ん張りするために、歌詞からメッセージを貰っている部分が多くありました。
それは例えば、50歳になって「憧れのロンドンでもう一度、イチから天下を目指して頑張りたい」と現地に移住して奮闘している布袋寅泰さんの歌詞だったり。
でもカネコアヤノさんの歌詞からは、それらとはまた違った角度から励ましを貰っている。
「頑張らなきゃ」「変わらなきゃ」と自分を責めすぎても辛くなってしまいます。
だからこそ、ありのままの自分を肯定してくれる歌詞やメッセージには、何だか許された気分になって落ち着きます。
等身大でありのまま。
これまた変な話、ぼくは今の時代や世の中に明るい未来や希望があるようにはあまり感じていません。
目まぐるしく時代が変わって、何か大切な感覚が抜け落ちてしまっているような気がしています。
例えるなら、過去のバブル時代のメンズには高い時計を買うことや、車を買うことがステータスになっていましたよね。
いい女性と付き合うこと、出世して偉くなること。日本の経済も成長し続けていたので、明るい未来が見える時代でした。
対して今は、世間的にも暗い話ばかり。
そんな話ばかりを聞いていると個人的にも暗い気分になってしまうので、もうあまり世間の話題に触れたくない気持ちすら、ぼくは持っています。
そんな期待のできない時代にも明るく生きていくために。
せめて世間には触れないにしても、自分の身の回りにあるものや出来事は大切にして生きていきたい。
身の回りにある小さな幸せだったりを噛み締めて生きていくことで、いつだって明るい気持ちで過ごすことができる。
誰の生活にも起こりうるリアルな歌詞の内容が、カネコアヤノさんの魅力であり、ぼくも含め多くの人が共感し、素敵だと思う部分なのではないでしょうか。
例えば歌詞に「洗濯物」という言葉が出てきたり。
そんな等身大でリアルな、まるで日記のような歌詞が聞いているぼくたちにも距離の近さを感じさせてくれる。
これだけ強く生きている人も特別な超人じゃない。
同じ人間なんだ、といい意味で思わせてくれる魅力がそこにはあります。
世の中的には暗い時代ですが、そんな時代じゃないと生まれなかった曲たちなのではないか、とぼくは勝手ながら思っています。
例え世の中的には暗くても、ぼくはこれを聞けるなら幸せです。
そう思わせてくれるのが、ぼくにとってのカネコアヤノさんと、その楽曲たち。
ぼくがカネコアヤノさんを好きな理由を何だか書き残しておきたくて、こんな記事を書いてみました。
いわはし
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