
今から100年以上も前に作業着として生まれた、デニム生地によって作られたパンツ、その名もそのままデニムパンツ。
どんな服とも合わせやすく、カジュアルにファッションを楽しめるその特性から、今や多くの人に愛されるアイテムとなりました。
そんなデニムパンツの多くは濃紺色をしていると思うのですが、それらは「インディゴ染料」という染料を使って染めた糸から織られています。
インディゴ染料やデニムパンツが持つ最大の特徴は、着用や洗濯を繰り返すにつれて染料の色が落ちていくこと。
デニムパンツが色落ちしていくことに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、そんなデニムパンツの色落ちって、洋服好きにとって実はいちばんの魅力だったりするんです。
デニムパンツを穿いている頻度や、立っている時間が多いか、座っている時間の方が多いかなどの生活スタイルによって足の付け根部分や膝裏にシワが刻まれていく。
そのシワの線に沿って、インディゴ染料の色落ちが進んでいく。
新品で買ったときは濃紺色だったデニムパンツが、それぞれの生活スタイルに合わせて色落ちを進め、唯一無二の風合いを出していく。
愛用し続けるにつれて、世界に2本とないデニムパンツと色落ち、シワが刻まれていくんです。
ここに魅力を感じている服が好きな方は本当に多く、ヴィンテージのデニムパンツが古着屋さんでは100万円オーバーの価格で売られていたりもします。
長い時を経ることでしか現れないインディゴ染料の色落ち具合と、それによる新品にはない不思議な魅力がそこにある。
デニムパンツとその色落ちって、本当に深い魅力を持った素敵な世界なんです。
持っているデニムパンツの色落ち具合を比較してみた

かくいうぼくも、高校生の頃から欲しかったA.P.C.というブランドのデニムパンツを穿き続けて3年と3ヶ月。
購入当時は濃紺色の綺麗で上品なアイテムでしたが、今や生地はシワを深く刻み、色落ちが進み、そのコントラストが非常に男らしい雰囲気を放っています。
ヴィンテージの何十万円とするデニムに手を出したことはありませんが、ぼくはA.P.C.の「PETIT STANDARD」という1本をずっと育て続けています。
色落ちによる経年変化を楽しむことはもちろん、それが進むに連れて愛着も日々増していっています。
一言にデニムパンツと言っても、その色味や雰囲気は様々です。
古着屋さんであえて色落ちしたそれらを選ぶときには、それぞれ似ているようで微妙に違った色味をしているので、好みの1本を探すのも楽しみのひとつ。
この記事では、ぼくが持っているデニムパンツの中から色味の異なる3本を厳選して、見た目や雰囲気の比較をしてみます。
それぞれのデニムパンツを使ったコーディネートも載せているので、理想のコーディネートを作るのに近い色味のデニムパンツを探すときの参考にしてみてください。
1本目: 新品ならではの清潔感ある色味が特徴的な濃紺デニム

1本目としてご紹介するのは、濃い紺色のデニムパンツ。
インディゴ染料によって綺麗に染められたそのままの、新品ならではの雰囲気を持っているのが濃紺色の1本。

・半袖シャツ: 古着
・インナーの白無地Tシャツ: 無印良品
・スニーカー: CONVERSE
古着の半袖シャツと合わせたシンプルなコーディネートでは、濃紺色をしたデニムパンツのお陰で全体としても清潔感のある雰囲気に仕上がりました。
濃紺色のデニムパンツが持っている最大の魅力は、何と言ってもその清潔感。
シルエットとしても写真のような細身の1本を選んだのなら、合わせる服を選ばない万能なアイテム。
全体的にバランスの良いコーディネートを、簡単に組み立ててくれる縁の下の力持ちのような1本です。
ぼくが穿いているのは無印良品のデニムパンツ。
こちらは3,990円で販売されている、無印良品の定番アイテムです。
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2本目: 濃紺色から3年穿いて色落ちの進んだデニムパンツ

2本目には、ぼくが3年3ヶ月愛用し続けて色落ちの進んだA.P.C.のPETIT STANDARDというデニムパンツ。
こちらも購入当時は無印良品の1本と同じように、綺麗な濃紺色をしたアイテムでした。
穿き込むに連れてシワを刻み、それに沿ってインディゴ染料の色落ちが進んで深みのある表情に。
これだけ長い年月を穿き込めるのも、色落ちを楽しめるのもデニムパンツというアイテムならでは。とても愛着を持っています。
このデニムパンツを先ほどと同じ古着シャツに合わせて穿いてみると、ややカジュアルな雰囲気に。
ある程度、色落ちが進んでシワやコントラストが深くなった分、濃紺色のデニムパンツが持っていたエレガントな雰囲気には欠けています。
古着屋さんではこれくらいの色味をしたデニムパンツも売っていますが、わざわざ古着で買って穿くのは難易度的に少し高めかもしれません。
かくいうぼくも、3年少し愛用していますが、今がいちばんコーディネートを組むのに頭を悩ませています。
汎用性には少し欠ける色味ですが、個人的にはここまで育てたことと、これから先の色落ちも楽しみなことが穿いている主な理由。
ただ納得のいくコーディネートを組むこととは、また違ったベクトルの楽しみを感じながら穿いています。
3本目: 水色と呼べるほどに色落ちした古着のデニムパンツ

最後は古着屋さんで買ったデニムパンツの定番ブランド、リーバイスのデニムパンツ。
ブランド自体の歴史が長いために、古着屋さんへ行っても様々な年代や色落ち具合のものがたくさん並んでいます。

こちらもきっと新品だった頃は、最初にご紹介した無印良品の1本と同様にインディゴ染料により濃紺色に染められていたはず。
それが着用と洗濯を繰り返し、長い年月を経ることでここまで染料の色落ちが進んで色が薄くなっていくんです。
全体としては水色に近く、場所によっては白っぽくなっていたりもします。
新品でも加工を施し、あえて古着っぽい色味に仕上げたデニムパンツもありますが、やっぱり本当に長い年月を重ねてきた古着の1本には深みを感じます。

上の2本と同様、古着のシャツと合わせてコーディネートを組んでみるとこんな感じ。
グッと色が薄くなっていることもあり、上の2本とはまた違った雰囲気になりました。
古着が好きな人にはたまらない、男らしくも少しゆるい雰囲気。
ぼくもこういった雰囲気のコーディネートが大好きです。
コーディネートの組みやすさなら濃紺デニムがナンバーワン

一言にデニムパンツと言っても色落ち具合によって雰囲気が全く違い、コーディネートも異なるものになることを見てきました。
最後にはご自身がどんなコーディネートを組みたいかによって穿くデニムパンツを選ぶのがいちばんですが、最も汎用性が高いのは濃紺色の1本。
加えてシルエットとしては細身のものなら、メンズファッションの大定番である黒のスキニーパンツと肩を並べるほど使いやすいアイテム。
まだ持っていない方は、濃紺色のデニムパンツも是非手に入れてみてください。
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古着デニムを選ぶなら薄めの色味が使いやすくてベスト

ちなみに古着のデニムパンツを選ぶなら、個人的には今回の記事でご紹介したような薄めの色味をした1本の方がコーディネートの幅も広がって便利だと思っています。
やや退廃的な雰囲気も持っているので、これ1本と白無地Tシャツを合わせるだけでも男らしいコーディネートになってくれるもの。
古着のデニムパンツを選ぶとなると、それぞれ微妙に色味が違うので自分好みの1本を探し出すのはなかなか骨の折れる作業です。
一方でそれが楽しみのひとつであることも確か。
古着屋さんへ行った際には、是非好みの色味をしたデニムパンツも探してみてください。

いわはし

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