デニムジーンズを裾上げするときの注意点とシルエットの変化について

「愛用しているデニムジーンズの裾上げをしたい」

ジーンズを買っていくらか月日が経つと、実際にいくらか穿いてみた結果としてそう思われることがあるかもしれません。

 

いくらか穿いてみた結果、2回ほどロールアップ (裾を折る)して穿いたとしても、やっぱり裾が余ってしまうのが不恰好だったり。

裾上げしたいと思う理由やきっかけは、人によっていくらかあると思います。

 

そんな中、ぼくが裾上げをしたいと思ったきっかけは「裾が余る」という理由とは少し違うものでした。

裾上げをしたいと思った時点で1年半ほど愛用していた、A.P.C.というブランドの「PETIT STANDARD」というモデルのジーンズ。

 

これをリジッド (糊のついた状態)から穿き込んでいたのですが、当時の生地が硬い頃から思いっきりロールアップしながら穿いていたので、折り跡がついてしまって。

くっきりついたその跡は以降、洗濯を繰り返したりロールアップしながら穿き込むにつれて、ダメージとなってしまいました。

折り跡に沿って、生地に穴が開いてしまったんです。

 

次にまたリジッドからデニムジーンズを穿き込むとしたら、ロールアップしたい気持ちは極力抑えようと思っています。

もしくはロールアップをするとしても、くっきり跡がついてしまうほどにしっかり折ることは避けるべき。

 

話を戻して、少し特殊かもしれませんが、そんな経緯でぼくは愛用しているデニムジーンズの裾上げを行いました。

「デニムジーンズを裾上げすると全体のシルエットが崩れるって聞くけど、本当なのか?」

「裾上げをお願いしたいけど、する前にどんなことを注意すればいいんだろう?」

 

この記事では、お手持ちのジーンズを裾上げしようとお考えの方に向けて、ぼくが実際に裾上げをしたものを愛用してみての感想や、シルエットの変化について書いていきます。

 

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テーパード型のデニムは裾上げでシルエットが少し変わる

ぼくが愛用しているデニムジーンズの裾上げをするにあたって、何よりも気になっていたこと。

それは「裾上げをするとシルエットが崩れるって本当なのか?」ということでした。

 

実際に裾上げを行ってかれこれ2年ほど経ち、今でも愛用しているぼくのデニムジーンズの場合。

大幅にとは言わないものの、シルエットには若干の変化がありました。

 

ただ、実は裾上げをするとシルエットに変化が出るデニムと、そうでないものが存在するんです。

そのうち、変化が出るのはシルエットが「テーパード」になっているもの。

 

よく、ZOZOTOWNなんかを眺めているとデニムジーンズやスラックスの商品説明に「テーパードシルエット」という言葉が出てくると思います。

「裾へ向かうにつれて幅が狭くなっている」形をしたボトムスのことで、こうすることで足が長く見えるという特徴があります。

 

ぼくが愛用しているA.P.C.のPETIT STANDARDはテーパードシルエットのデニムジーンズ。

裾上げのするため生地を切ると、テーパードが途中までしか効いていない状態になるので、見た目に変化が出てしまうんですね。

 

▲裾をワンロールした状態

シルエットが「崩れる」というほどではありませんが、比べると裾上げ前よりは足長効果が弱くなってしまうことは確か。

買ったばかりのときに、1~2回ロールアップをした程度じゃ生地が余って仕方ない状況ならば、裾上げをするのが普通です。

ぼくの場合は特殊な状況の上、長く穿き続けていた中で裾上げをしたので、よりシルエットの変化に違和感を感じてしまったのかもしれません。

 

これがテーパードとは違い、裾までまっすぐ落ちる「ストレートシルエット」のデニムジーンズなら、裾上げを行ってもシルエットが崩れる恐れはありません。

 

リジッドの場合は生地が縮むことを考える必要がある

ただしデニムジーンズがリジッドの場合は、最初に洗濯をすると生地が大幅に縮むことを考慮する必要があります。

ブランドやアイテムにもよるとは思いますが、初めて水を通すとおおよそ5~7cmは裾が縮む場合が多いよう。

 

もしリジッドの状態で穿いているデニムジーンズの裾上げをしたいと思った場合は、裾上げを頼む業者さんとしっかり相談をするのがおすすめです。

多くのカジュアルブランドで販売されているジーンズは、工場での製造後に一度洗った「ワンウォッシュ」のアイテムであるケースがほとんど。

 

リジッドのデニムジーンズというのは、生地に糊がついている分、シワが刻まれやすいもの。

「インディゴ染料の色落ちを楽しみたい」という、服オタクに人気のあるアイテムなのです。

 

かくいうぼくも、デニムジーンズの色落ちをはじめとした洋服の「経年変化」が好きなタイプなので、リジッドから育てることが可能なA.P.C.のデニムを購入しました。

綺麗に穿くなら染料の色落ちは嫌なことかもしれませんが、これもまた独特の楽しみがあるんですよ。

 

裾上げにおける「シングル」と「チェーンステッチ」の違いとは

これもまた、ジーンズの裾上げをする上で微妙な違いとして存在するのが、裾の縫い目における仕様の話。

業者さんに裾上げをしてもらうとき、当然ながら切った裾を綺麗に塗ってもらう訳です。

(最近は「切りっ放し」なんて仕様もよく聞きますが、それは裾を切ったまま縫い付けを行わない状態のこと)

 

ここで裾を「シングルステッチ」と「チェーンステッチ」のどちらで仕上げてもらうか、という部分もデニムジーンズの雰囲気を左右するひとつのポイント。

具体的にどういう違いがあるのかというと、ざっくり説明するなら「スタイリッシュな雰囲気に仕上げるか」もしくは「無骨な印象にしてもらうか」というもの。

 

「シングルステッチ」ならデニムジーンズがスタイリッシュな雰囲気に

例えば、こちらはぼくが愛用しているA.P.C.の定番デニム「PETIT STANDARD」の裾を撮影したもの。

裁断した生地を黄色い糸で縫い付けている訳ですが、その糸が1本で縫い目を形成していますよね。

 

これが「シングルステッチ」と呼ばれるもの。

使っている糸の量が少ない分、裾が重くなりすぎないので見た目としては軽やかな印象になってくれます。

 

A.P.C.はフランス生まれのシンプルでスタイリッシュな雰囲気が特徴的なブランド。

そこを代表するデニムパンツなだけあって、軽快さを演出するためにもシングルステッチの似合う作りになっています。

 

「チェーンステッチ」なら無骨で男らしい雰囲気のデニムジーンズに

対してこちらは着用頻度こそ少なめなものの、気に入っている「FUJITO」というブランドのデニムジーンズ。

先ほどから登場しているA.P.C.のデニムに比べると、インディゴ染料がべったりと染み込んだような深い色味が特徴的。

 

その見た目から、中性的な雰囲気を持つPETIT STANDARDとは真逆なFUJITOのデニムジーンズは、裾にチェーンステッチが採用されています。

シングルステッチは縫い糸が1本だったのに対し、チェーンステッチは何本もの糸が重なり合っているように見えるのが特徴。

1回だけロールアップをして穿く場合には、チェーンステッチが抜群の存在感を放ちます。

 

ジーンズの雰囲気に、どちらのステッチが似合うかという話

糸の耐久性や解けにくさなど、細かいポイントで比較できる部分もあります。

ただそれよりも、ここまで細かい部分にもなると最終的には「そのジーンズにはどちらのステッチの方が似合うか」という部分が決め手になる。

ぼくの場合、A.P.C.のジーンズを裾上げしましたが「繊細な雰囲気を持ったこの1本にはシングルステッチの方が似合う」と思ったので、裾上げ前と同じようにシングルでお願いをしました。

 

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ジーンズの裾上げは慎重に&信頼できる業者さんにお願いするのがベスト

テーパードシルエットのジーンズは裾上げをするとシルエットが微妙に変わること、リジッドの場合は洗うと生地が縮むことについて書いてきました。

裾上げをしたいと思う理由やきっかけは色々あると思いますが、いざお願いするなら信頼できる業者さんに頼むのがいちばんです。

 

ぼくの場合、A.P.C.のPETIT STANDARDはA.P.C.が直接裾上げを引き受けてくれるので、店舗に行って店員さんに裾上げ後のイメージを相談した上でお願いしました。

もう1~2本、他のジーンズの裾上げを行ったこともあるのですが、そちらは千葉県柏市にある「goemon」というジーンズのリペア専門店にお願いをして。

 

何度も雑誌で紹介されている実績のある、とても信頼できる業者さんです。

加えて当時のぼくは地元に住んでいたこともあったので、直接店舗に持ち込みができるという理由でもお願いをしていました。

 

goemonさんには全国どこからでも、郵送でお願いもできるそう。

裾上げをどこでお願いするか迷っている方、お住まいの近くに裾上げを行ってくれる工房がない場合は、とてもおすすめです。

 

大切なジーンズ、裾上げをしてシルエットが急激に変わってしまったり、仕上がりが気に入らず着用頻度が下がってしまったりするのは本当にもったいないことです。

この記事でご紹介した内容について踏まえた上で、裾上げは信頼できる業者さんにお願いすることをおすすめします。

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いわはし

いわはし

もうすぐ30歳になるので、うかうかしていられません。

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