ぼくは古着の柄シャツが好きで、よく買います。
それぞれの癖がなかなか強いので、もしかしたら「長く着ていても飽きない」アイテムではないのかもしれません。
ただ、古着の柄シャツには日本のブランド服にない魅力があると思っているんですよね。
そもそも「古着」の定義とは何なのか
ごく当たり前の話をするようですが、ここで書く「古着」とは基本的に海外古着のこと。
古着屋のバイヤーさん (買い付けをする人)が海外へ行って、現地のスリフトストア (リサイクルショップのようなところ)などで販売されている洋服を購入。
それを日本に持ち帰って、洗濯やらケアをした後に古着屋さんの店頭に出して販売される服。
これを「古着」と呼んでいます。
それゆえ古着屋さんに行けば、並んでいる服は基本的に全てが1点モノ。
海外古着でも「このブランドの服は他にも見たことがある」という経験をされたこともあるかもしれませんが、それらは日本で言う「しまむら」の洋服だったりするのかもしれません。
仮に日本のリサイクルショップで「しまむら」の洋服が並んでいたら、何となく「学生が着る服」というイメージが先行して敬遠してしまうかもしれません。
しかし国を越えたその先で販売されている洋服が、現地でどんなブランドのアイテムなのかは知る由もなく。
だからこそ、海外古着の場合はブランドに対して妙な偏見を持ったりせずに、ただデザインが好みか、品質が良いかといった点だけに着目して選べる面白さがあります。
日本人はとにかく「ブランドが大好き」なので、そこの色眼鏡を取っ払って服を選ぶことには、新品の服を選ぶときとはまた違った面白さがあります。
新品、古着を問わずたくさんの洋服を見たり、着たりする経験も増えて目が肥えてきたりすると、自分の目で服を見分ける楽しさも味わえる。
ここで書いてきた内容は、今回着目する、いわゆる「レギュラー古着」に関してのこと。
レギュラー古着の大半は新品の洋服よりも「安い」こと、そして日本のブランド服にはない個性的なデザインが主な魅力。
古い年代モノの「ヴィンテージ古着」と呼ばれるものもありますが、それらは「レギュラー古着」とはまた勝手が違います。
ヴィンテージの場合は、古ければ古いほど、そして古いわりに綺麗な状態で残っているものほど値段も高いもの。
ヴィンテージ古着の代表的なアイテムと言えば、やっぱり「デニムジーンズ」です。
今となってはもう出尽くして見つけるのに一苦労するそうですが、ヴィンテージのデニムは買い付けが非常に大変なそうで。
例えばアメリカでは「ゴールドラッシュ」の時代、採掘者が鉱山へ向かうときは作業着として丈夫で耐久性のあるジーンズを穿いていたそうです。
そのゴールドラッシュこそ、今や世界的なジーンズのブランドとなったLevi’sが名を馳せるきっかけにもなった訳です。
鉱山へ向かうも、金を掘り起こすことのできなかった人たちがその場に脱ぎ捨てて帰ったデニムジーンズ。
それらを探しに、実際に現地の鉱山へ向かう古着屋のバイヤーさんもいるなんて話を、何かの記事か本で読んだ記憶があります。
それだけ見つけるのが大変で、数も少なく希少価値も高いので、100年近く前のヴィンテージデニムは100万円近い価格で販売されていることも多々あります。
ぼくはヴィンテージの世界に手を出したことはありませんが、もはや博物館に展示されてもおかしくないレベルのデニムを取り扱っている古着屋さんも存在します。
レギュラー古着柄シャツが持つ唯一無二の個性に惹かれる
今回、この記事で触れる「古着」とは、そういった希少価値の高い「ヴィンテージ」ではなく、多くの古着屋さんで販売されているような「レギュラー」です。
販売価格はお店によって様々ですが、安いところなら柄シャツ1枚で1,000〜2,000円。
バイヤーさんが海外へ直接行って、買い付けを行っているような古着屋さんでは4,000〜10,000円くらいの間で販売されているものが多いように思います。
海外買い付けを行っている古着屋さんに行けば、それぞれのお店が持つコンセプトに沿った古着や、バイヤーさんの目で見極められた素敵なアイテムが並びます。
また、個人的には東京なら高円寺や下北沢のリサイクルショップを眺めるのも面白くて好きなんです。
そういった古着屋さんで売られていた服を買った人が、着なくなって売った服がまた並ぶ場所。
コンセプトも何もなく雑多な中から、大変ではありますが自分好みの柄シャツをイチから探す作業というのも面白いもの。
そんな風にして、どうしてぼくが古着の柄シャツに惹かれていくのか。
今や柄シャツは古着屋さんの定番人気商品ですが、最大の魅力は「唯一無二の個性」にあると思っています。
古着柄シャツが持つ最大の魅力は芸術的なデザインにあり
そんな古着の柄シャツが持つ最大の魅力は、その芸術的なデザインにこそあります。
洋服は基本的に生地屋さんから買い付けた生地を使って作られるため、流行を作り出す最初のきっかけは生地屋さんである、という話をよく聞きます。
日本ではデザイナーズブランドならあり得ますが、一般的なカジュアルブランドがこれだけ攻めた柄のシャツを販売することはまずなくて。
このシャツのブランド名は聞いたことがないので、どこかの国のローカルなブランドが製造、販売していたアイテムだと思います。
そこで、ここまで芸術的かつ攻めたデザインの柄シャツを作ってしまう。
この感性、そして受け手側の「着たい」と思う感覚が、既に日本にはないものですよね。
日本のカジュアルブランドがこの柄シャツを作っても、きっとセールに掛かるまで売れ残ってしまう。
お客さんも「これはちょっと着れないな」と思ってしまう人って、どうしてもいると思うんです。
日本が少し堅苦しすぎる、と言ってしまうのは違うかもしれませんが、海外の人たちはぼくたちよりも自由な発送と素晴らしい感性を持っていて。
アーティスト活動をされている方や、そういった人たちを歓迎、応援する環境にあると思うんですよね。
日本ならきっと、どれだけ素晴らしい作品だったとしても、壁に書いたそれは全て同一に「落書き」とされてしまう。
対して海外では壁に絵が書かれていればそれが文化になったり、はたまた「自分の方が上手い」と思う人が、人の作品に上書きしたりもしていくそうで。
堅苦しさがなく、自由な雰囲気だからこそ生まれる素晴らしい芸術作品や、そこに影響を受けて洋服を作るファッションデザイナーやブランドもあるはずです。
日本の環境下では生まれにくく、売れにくかったりもする、それぞれ強い世界観を持った柄シャツやそのデザイン。
これらこそが、海外古着の柄シャツが持つ最大の魅力だとぼくは考えています。
人と被らない個性が欲しいなら古着の柄シャツがおすすめ
「古着を着ると個性的なコーディネートを組めるようになる」やら「人と被りたくないなら古着がおすすめ」と、よく言いますよね。
そう言える理由としては、やっぱり「海外で買い付けた服なだけあって、同じものを着ている人に会う可能性はほぼゼロに近い」からなんです。
特に古着の柄シャツとなれば、これまでに似た雰囲気のものは見かけても、同じ柄のものをふたつとして見たことがありません。
それだけ人と被らない、まさに唯一無二とも言える洋服が古着の柄シャツです。
コーディネートに個性を加えたい方は、ぜひ古着屋さんへ柄シャツを探しに行ってみてください。
いわはし
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