前回の記事で「The True Cost (ザ・トゥルー・コスト)」という映画をご紹介しました。
ファストファッションが世界的に人気を博す一方で、過度な衣服の生産販売体制により、その裏には苦しんでいる人がたくさんいる様子をリアルに描いたドキュメンタリー映画です。
この映画を見たのは昨日のことですが、それからぼくは洋服に対して、洋服が好きな自分に対して大きな疑問を抱き続けています。
「どうして人は洋服を着るんだろう?」
対してぼくが出した現時点での答えは、「生活をより良くしていくため」というものでした。
全ての洋服が生まれた背景には理由がある。
その洋服が今でも愛されていることにもまた、理由がある。
例えばぼくが今、この記事を書くために入ったカフェで、そこへ行くまでに着ていたレザーのライダースジャケット。
これが生まれたのは、バイク乗りのためでした。
ぼくは学生の頃、原付に乗っていた程度ですが、それも一応はバイク。
生身で二輪のそれに乗ってみると、冷たい風に吹かれれば体感温度は歩いているときよりもいくらか低く感じるもの。
そんなバイク乗りのために、風を通さない素材として動物の皮革を使って作られたのがライダースジャケット。
素材に革が選ばれた理由はそれだけではなく、転んだときに体を守ってくれるだけの耐久性もあるからなのでした。
それから時が経った今、ライダースジャケットはバイク乗りのためだけの洋服ではなく、街着としても人気を博すようになりました。
今はバイクに乗らないぼくがそれを好んで着ている理由は、着込むと見せてくれる本革の経年変化が楽しみだからでしょうか。
そうやって娯楽として洋服を、ファッションを楽しむ理由ならたくさんある。
それでも安価で売られているファストファッションの洋服はデザインばかりが先行して、洋服を着る本来の意味や理由を失ってしまっているようにぼくは思います。
決してファストファッションを批判したい訳ではありません。
ただ、それらは今まで”一度買ったら長く着るもの”だった洋服を、販売サイクルの回転速度を今まで以上に早めることで途端に”消耗品”へ変えてしまった。
ファストファッションが登場するまで、洋服は今ほど頻繁に買い換えるものではなかったはずです。
「ザ・トゥルー・コスト」を見てからぼくは、そんなことをずっと考えています。
「ぼくたちが洋服を着る意味って、一体何なんだろう」
映画を見るまでは、好きな洋服を着ることでぼくは幸せになれるものだと思っていました。
自分に自信がついて、自信のお陰で新しい一歩を踏み出せて、そうした先に何かしらの希望がある。
そう思っていたことも、今では幻想だったのかなとも思えていて。
今のままの理由で洋服を着ていても、好きでいても幸せになることはきっとない。
それこそ映画の中に登場した言葉のひとつでしたが、”消費するだけじゃ人は幸せになれない”ことを教えられました。
きっとどこかで目標や目的、手段がごちゃごちゃになってしまったのだと思っています。
ぼくにとって洋服を着る本当の理由は、日々を快適に過ごすため。
暑い日には半袖のTシャツを、寒い日にはニットやアウターを着込んで適切に体温を保てるようにするためのもの。
デザインは、そんな機能を保証された上で嗜む娯楽のようなもの。
ぼくは洋服が大好きですが、何もここまで頻繁に買ったり、多く持っている必要は全くないのかもしれません。
「ザ・トゥルー・コスト」を見て考えた先で、洋服が好きなことに変わりはなくても、それに対する考え方が大きく変わる予感しかありません。
4月28日(日) 「ザ・トゥルー・コスト」の上映会を開催します
大好きな洋服に対しての価値観を180度変えてしまいかねないほど、大きな衝撃をぼくに与えた「ザ・トゥルー・コスト」というドキュメンタリー映画。
しかしこれはもはや、洋服が好きな人以外にも是非見て欲しい映画だと、ぼくは心の底から思いました。
今、洋服を着ている人には全員に。
洋服を1着でも持っている人になら是非見て、今一度「服を着る」ということを、その理由を改めて考えてみて欲しいと思いました。
そんな想いから今回、自身で多くの人に見て欲しい映画の上映会を開けるサービス「cinemo」を使って、「ザ・トゥルー・コスト」の上映会を開くことにしました。
以下が具体的な場所と日時です。
日程: 2019年4月28日 (日)
時間: 午後15時〜17時
場所: 東京都新宿区新宿5-11-13 博雅ビル 4F 403号室
定員: 30名
チケット代: 1,400円
当日の参加方法と鑑賞料金に関して
チケット代は1,400円となっており、決済サービスのPeatixよりお支払い頂く形になっています。
(当日、直接チケット代をお支払い頂いての入場も可能ですが、できればPeatixをご利用頂けるとありがたいです)
▼チケット申し込みページ
より多くの方に映画「ザ・トゥルー・コスト」をご覧頂きたい。
そしてそれが「人は、自分はどうして洋服を着るのか」を、改めて考えるためのきっかけになれば幸いです。
いわはし
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