TOWER REPORTS

東京コレクションで人生初のファッションショーを見て感じたこと

先ほど、東京コレクションを見てきました。人生初のファッションショー。

ファッション業界紙「WWD」のTwitterをフォローしているのですが、「抽選で東京コレクションにご招待」という旨の投稿が流れてきて。

一般人でもファッションショーを見れるなんて・・・と、テンションが上がっていくつか興味のあるブランドが開催するショーの閲覧に応募しました。

 

ファッションショーとして世界的に有名なのはパリコレだと思いますが、東京コレクションはその日本・東京版。

国内外問わず色々なブランドが参加し、ぼくが参加した今回は2019年の春夏に、店頭に並ぶ洋服たちを発表するためのショーでした。

少し前までずっとメルセデスベンツがスポンサーでしたが、数年前からはAmazonがスポンサーになって開催されている東京コレクション。

 

Amazonが唯一不得意とするジャンル、ファッションにも力を入れていきたいということで、スポンサーを務めることになった・・・と、近くにいた人たちの話が聞こえてきて知りました。

 

ぼくが今回、見れることになったのが「DRESSEDUNDRESSED (ドレスドアンドレスド)」のファッションショー。

2009年に始まった日本のブランドで、二元性や対比性、対犠牲の結合をブランドコンセプトとしています。

 

会場内の写真撮影は許されていたようですが、ぼくは初めての見るファッションショーの光景を自分の肉眼でしっかり感じていたかったので、スマホはポケットに入れたまま。

加えて撮影した写真をSNSやブログに掲載することは禁止されているため、ルックはファッションプレスで見てみてください。

ドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED) 2019年春夏(ウィメンズ&メンズ)コレクション – ファッションプレス

 

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一般招待客、コーディネートが超ハイレベル

10時半会場・11時のショースタートに備えて渋谷はヒカリエホールへ。

到着すると、派手な髪色や服装をした方がずらり。皆さんぼくと同じく一般招待でいらっしゃった方だとは思いますが、何だかもうオーラが違う。

 

こうして見るとやっぱり、トップス・ボトムス共にビッグシルエットが非常に流行っているように思います。スキニーパンツを穿いている人はあまり居なかったような。

加えて来場者の服装は8割以上が上下共に黒。

 

「ファッションショーなんて初めて行くけれど、どんな格好をして行けばいいんだろう・・・」

DRESSEDUNDRESSEDはブランドの特徴として、細身でスタイリッシュ。ラグジュアリーな雰囲気が漂っています。

 

最後までどんな格好をして行くか迷った結果、いつもより気持ち、ゆるい雰囲気を削ぎ落としたコーディネートに。

ショーには200人前後くらいのお客さんがいたように思いますが、ざっと見てもインディゴカラーのジーンズを穿いていた人はぼくを含めほんの数人しか居なかったような。

 

DRESSEDUNDRESSED 19SSの奇妙で独特な世界観

DRESSEDUNDRESSEDのショーは、厳かな雰囲気の中で始まりました。

ステージ中央に用意された、ヨーロッパの貴族が食卓を囲むときに使うような長いテーブル。

ぼくが想像していたファッションショーは、何もない空間をモデルさんが歩いては折り返す、その繰り返し。

 

それが基本的なファッションショーではあると思いますが、今回は少し違った演出がなされていました。

登場したモデルさんは机の手前に置かれた椅子に座ったり、立っていたり。

全てのモデルさんが登場した後で、最後は全員で机を囲んで男女で不思議な動きをしていたり。

周りにいた方の感想としてもありましたが、少し奇妙な雰囲気のまま終わったファッションショーでした。

 

初めて見たファッションショー。一般招待には服飾学校の学生さんも多い印象でした。

モデルさんが歩いてくれば写真や動画を撮る。カメラマンさんも写真を撮り、その数分後にはメディアに載せる。

 

正直なことを言ってしまえば、個人的にはまだ”ファッションショーはどこを見て楽しむべきなのか”がまだよく分かりませんでした。

見ていた学生さん(?)たちから聞こえてきた感想も「よく分からなかったね」というものだったりして。いつも見に来ている人たちは、どこをどう見て楽しんでいるのかが気になるところ。

 

「モデルさん、ほとんど瞬きしてないな」

歩きながら写真を撮られる身として当たり前のことなのかもしれませんが、そんなところに感心してしまいました。

ファッションに精通されている方なら、ぼくらが映画を見て感想を言うように強く感じるものがあるのでしょうか。

 

コンビニバイトでハイブランドを買う同級生を思い出した

会場にいらっしゃったお洒落な方々を見ていると、改めて自分との圧倒的なセンスの差を感じました。

どうしてこんなに垢抜けて、都会的な雰囲気が出ているのか。それ、どこから出しているんだろう。

途端に自分が田舎者(実際にそうですが)に感じられるように。

 

コンビニの深夜バイトをしながらインポートブランドの何十万円もする服を買っていた大学の同級生を思い出した瞬間でもありました。

さすがにそこまで、稼ぎの全てを洋服に使うことは、ぼくにはできませんでした。寝る間を惜しんで食費を削って、欲しかった高額な洋服を買う。

ぼくも洋服は好きだけれど、熱狂的にのめり込むことはできませんでした。

 

早い流れについていくこと、最新の洋服を着続けることもしてみましたが、途中でそれが完全に”消費されゆくだけのもの”に見えてしまう瞬間が訪れました。

 

それでも最先端に居続けようとする人たちは、とてもキラキラしていました。「ぼくには到底無理なことだ・・・」と思いながら、そのキラキラを少し羨ましい目でも眺めていました。

ぼくとはまた違ったベクトルで洋服を愛し続けている人たちを、この東京コレクションでたくさん見て、大学生の頃にも抱いていたそんな気持ちを思い出した。

 

「いつでも格好良く・綺麗でいたい」そこに熱狂し、全てを注ぎ込んでいる人たちはとても格好良かった。何かひとつでも、我を忘れて熱狂できるものを持っている人は素敵です。

 

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東コレはファッション業界を盛り上げるお祭りとして在って欲しい

そんなこんなで、正直なところ個人的には”ファッションショーってどこを見ればいいのか分からない”状態のままでした。

ただ、ブランドの服をまとったモデルさんたちからは、言葉にするのは難しいけれど、厳かなオーラを感じたことは確か。

ぼくは、ファッションやアートには絶対に言語化できない魅力というものもあると思っているのですが、まさにそんな部分を感じることもできました。

 

会場を出れば、お洒落な方々は国内外問わず色々なカメラマンさんに「写真を撮ってもいいですか?」と声を掛けられていて、お祭り感が凄かった。

漫画「NANA」からヤスがそのまま出てきたような風貌の方もいて、めちゃくちゃお洒落でした。もちろん、カメラマンさんに声を掛けられスナップタイムに突入していて。

 

今やネットでルックを発表するブランドも増え、「パリコレは要らない」と言われる状況でもありますが、こういった発表の場は残っていて欲しいと思いました。

ぼく自身、どこにどう魅力を感じ取るかをはっきりとは掴めなかった。それでも、ファッション業界を盛り上げる一種のお祭りとして、こういう場はあって欲しい。

東京コレクションのようなお祭りをきっかけに、そしてもっと参加の敷居が低くなれば、「いい服を着るって格好いい」と感じる人が増え、業界がもっと盛り上がっていけば。

・・・なんて偉そうなことを言ってしまいましたが、いち個人として感じたことでした。

 

ショーに一般招待を取り入れるという、WWDとDRESSEDUNDRESSEDの素敵な取り組みに、とてもいい経験をさせて頂き感謝しています。

洋服には、そしてファッションには、人を変える魔法の力が確実にある、と感じました。やっぱり”着飾る”って素晴らしいです。

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いわはし

もうすぐ30歳になるので、うかうかしていられません。