今日は洋服の話じゃなくて、少し個人的なお話をさせて下さい。
東京に引っ越しました。
生まれてから23年間、ずっと住んでいた千葉を出て。24回目の誕生日を迎えてぼくは、東京に引っ越しました。
大学を卒業してからは、就職をせずにブログの収入で生きていくと決めたぼく。卒業する少し前に、一人暮らしを始めて。
こういう生き方だから家が職場だし、どこに住んでもいい。東京に住むことも、旅行で行って気に入った福岡に住むことも考えました。
ただ、まだ大学を卒業する前だったので、単位を取り終えてほとんど行っていなかったとはいえ、福岡に引っ越してしまうのは現実味がなくて。
だから生まれ育った千葉県で、実家からは少し離れた場所でアパートを借りました。そこで初めての一人暮らしをスタート。
大学も卒業したし、これからはもっとブログに力を入れていこう。
”専業ブロガー”としてスタートした一年目、一人暮らし。自由には責任が付き物だということを、身を以て感じた年でした。
全部、自分で決められる。全部、自分で決めなくちゃいけない。
しなきゃいけないことがないというのは、自由の証拠。しかし縛りがなければ進む”べき”道が見当たらず、どうすればいいのかも分からなくなってしまう。
欲しくて仕方なかった自由を手に入れたのに、前が見えず真っ暗なままで、辛くて苦しいと思っていた記憶がたくさんあります。
「自分は何がしたかったんだろう?」「ブロガーとして独立をして、自分が本当にやりたかったことは何だったの?」
自問自答を繰り返した中で出た答えは、”自由が欲しかった” それだけだったように思います。
既に手に入れることができたから、次なる目標を見失って何をどうしようか、分からなくなっていて。
じゃあ次のやりたいこと、欲しいものを探せばいい。そう思って辺りを見渡してみるものの、簡単には見つからない。
無気力になる。有り余る時間を以ってして、それを注いで掴みたい次なる何かがない。
何もしない、でもしたいことがない。1日が長く感じられて、耐えきれず夕方頃からお酒を飲んで楽な気分になろうとしたり、友達を呼んで遊んだり。
そんなことをしてばかり。ブログを書くネタもない。まだ20代前半なのに、これから死ぬまでずっと、定年退職後のような人生を生きていくのか。
贅沢な悩みに聞こえるかもしれません。ただ、欲しかった自由を手にしてぼくが思ったのは、人は永遠に、ないものねだりを繰り返し生きていくのではないか、ということ。
仕事をしている友達は、仕事を辞めてお前みたいに自由な生き方がしたいと言う。
ぼくは、やりたい仕事があって、自分を必要としてくれる人がいるなんて幸せなことだよ、と言う。
これでぼくが仕事を始めたなら、きっと「毎日何もせず自由に過ごしていたい」と言い始めることでしょう。
どこまで行ってもないものねだりを繰り返し生きていくのだと思います。
そもそも、どうしてブログを書くことが好きなんだっけ?
原点回帰して、今度はそんな質問を自分にしてみる。
中学生の頃もブログを書いていたぼく。ヴィジュアル系バンドが大好きだったのですが、周りには同じ趣味の友達がいなくて。
でも、自分が好きなものに対する気持ちや意見を、誰かに話したい。この素晴らしさを共有してみたい。
そんな気持ちでブログを書いていたのだと思います。
大学生になって、ひょんなきっかけから再びブログを始めたぼくは、中学生の頃に大好きだったヴィジュアル系バンドの音楽、そこへ注いでいたのと同じ熱量を洋服に向けていて。
懐かしい感覚を思い出しながら、今度は洋服に関するブログを書き始めた。すごく楽しかった。
どこかで、純粋に洋服の記事を書く楽しさが屈折していった。自分が好きな記事を書く楽しさより、アクセス数が増えていく楽しさに目が眩んだ。
アフィリエイトをしてお金を稼げそうな記事を書いて、収入が増えていく楽しさに、夢中になっていった。
それはそれで、決してナシではないと今でも思っています。どうすれば多くの人に記事を読んでもらえるか?どうすれば商品を買ってもらえるか?
読者の目線になってそれを考えることは、ビジネスにも通ずるマーケティング的な考え方。そこを学んで極めようとする楽しさも、あることにはあって。
楽しかった。だからブロガーとして独立しようと思った。時間が経って、ブログを始めた当初の純粋な”楽しい”気持ちを置き去りにしてしまっていたことに気付いた。
どうしてブログを始めようと思ったんだっけ?何がいちばん楽しかったんだっけ?
原点に立ち返って自問自答。結果、純粋な自分の気持ちを大切にしようと思い、立ち上げたのが『いわたの偏愛コレクション』
どんな世界にも”界隈”はあるもので。ブログを書いていれば、いわゆる”ブロガー界”があって。
近い人がいると、比べるべきじゃないものさえ比べようとしてしまうのが人間。あの人がいくら稼いだ、どれだけのアクセス数があった、と聞けば、その上を行こうとする。
ぼくは、本当につい最近になって覚悟を決めることができた気がしています。
もう周りは見ないし比べない。ぼくには関係のないこと。ぼくはぼくが好きで、楽しいと思えることをする。
独立して1年目の虚無感から学びました。人には”しなきゃいけないこと”があった方がいい。
縛りが全くない、自由な生活は案外退屈だったと思っています。
だからぼくは記事を書く。そう決めたときに自然と、そして楽しく書くことができる内容は、やっぱり自分が本当に好きなものに関してだ。
楽しみながら。でも、縛りとしての”しなきゃいけないこと”を。やっていた方が幸せだから。
たくさん記事を書く。大好きな洋服に関する記事を書くことは、とても楽しい。
でも、もっと面白い記事をたくさん書けるようになりたい。
余談ですが、『いわたの偏愛コレクション』って、SNSでは記事をシェアしている投稿を見かけることが皆無に等しくて、時々誰も記事を読んでいないんじゃないかと思うことがあります。
それでも続けることができるのは、アクセス数を見ればちゃんと読んでくれている人がいることも伝わってくるから。
今度は”アクセス数を稼ぐための記事”じゃない。ぼくが正直な気持ちで楽しんで、好きで書いている記事を公開し続けた結果としてのアクセス数だけを見ています。
そしてそれを、記事を書くモチベーションにもしている。励みにしています。
正直、個人ブログでやっていたように、いわゆるアフィリエイト等を使ってお金を稼げる記事なんて、それを目的に書いた記事なんてここにはひとつもなくて。
全く儲かってなんていないし、何なら個人ブログの方でもそういった記事を、もうずっと書いていないから、収入だってきっと下がってきていると思うし。
これでも一応はブログの収入で生計を立てているのに、困ったものです。
でも間違いなく言えるのは、それでもぼくは好きなことを楽しんでやっているということで。
このブログをぼく自身がもっと楽しむために。好きなことをするために。
そのためにぼくは、東京に引っ越しました。千葉よりも服屋と刺激と、おしゃれな人が圧倒的に多い東京。
そこに住めば、もっと楽しくブログを書けるようになるかもしれない。もっと面白い記事を増やしていけるかもしれない。
仮にも”専業ブロガー”なのに、稼げてもいないのに。むしろ収入なんて減っているかもしれないのに。
それでも、このブログで記事を書いていることは、ぼくにとってすごく楽しいことで。ただそれだけを追求できれば、ぼくはお金持ちになるよりも幸せなのかもしれません。
”売れる音楽”を作ってメジャーへ行ったはいいものの、それは自分が本当にやりたい音楽じゃなかった。
もう売れるとか、どうでもいい。それよりも自分が本当に好きな音楽をやっていたい。
音楽をやる側になったことはありませんが、聞く側として大好きなぼくは、これまでに色々なメディアのインタビューでそう語っている、憧れのミュージシャンを目にしました。
そこに自分を並べるのは恐縮ですが、今のぼくもきっと近い心境のはず。
虚無感を感じていた独立1年目から少し前。「このままじゃ本当にダメになるから、とにかく環境を変えよう」
そう思っては、何度もしようと思っていながら、それでも行動に移さなかった東京への引っ越し。
ようやく実現したのだから、これからは前向きな変化をたくさん起こしていきたいと思います。
いわはし
最新記事 by いわはし (全て見る)
- 筋トレが1ヶ月続いたので継続したコツと使ったアプリを紹介してみる - 2024年4月10日
- 古着で買った巨大なシミのついたスラックスをオキシ漬けしてみた結果 - 2024年4月1日
- 偉大なポップスター - 2024年3月27日