先日ぼくは、このブログを通じて受注生産の形を取り、オリジナルのパーカーを制作・販売しました。
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その発送手続きが数日前に全て終わり、TwitterやFacebookのメッセージで少しずつ「届いたよ!」との声を無事に頂けて安心しているところです。
封筒の中にはパーカーと共に、感謝の気持ちを込めてちょっとした手書きのメッセージカードを同封させて頂きました。
知り合いの方からは「字が汚いからユーキャンのボールペン講座を始めろ」との意見を頂いてしまいましたが、それ以外は特別困ることもなく、最後までやり遂げることができました。
この記事では、アパレル勤めでも何でもない素人のぼくが、オリジナルの洋服を作って販売するまでに行ったことや、使ったウェブサイトに関して書いていきたいと思います。
オリジナルの洋服を作って売ってみたいと思っている方の参考になれば幸いです。
販売方法は在庫リスクのない受注生産がベスト
洋服を作って売るとなれば、先にボディー(ベースにする服)とそこに入れる刺繍やプリントを業者さんに発注し、手元に現物在庫を揃える必要があるとイメージされるかもしれません。
しかしそれを有名人でもアパレルメーカーでも何でもない、いち個人かつ素人のぼくが行うことには大きなリスクがありました。
もし売れなければ作った在庫をいつまでも手元に抱えることになってしまうからです。
一方で先に注文を受け付けてから、その数だけボディーの発注や刺繍・プリント入れを依頼し制作・販売する受注生産の形を取れば在庫を抱えるリスクはゼロになります。
素人だけどオリジナルの洋服を作ってみたい人は受注生産で洋服を作ることがおすすめ。
ただし注文を受け付けてから制作を開始するため、買って下さった方には発送までに長めのお時間を頂いてしまうので、その旨をお伝えすることは絶対です。
販売ページの作成にはネットショップのBASEがおすすめ
素人がネット上でモノを販売するとなれば、販売ページの準備から注文やお金の管理まで、全てを自分1人で行う必要があります。
でも今は便利な時代になったもので、資本を持っていない個人でも手軽に自分でネットショップを立ち上げることができるんです。
ぼくがパーカーを作ったとき、実際に使ったサービスがネットショップのBASEでした。
メールアドレスとパスワード、作りたいショップのURLを入力するだけですぐに自分だけのネットショップを開設することができちゃいます。
そしてショップ開設には一切お金が掛かりません。完全無料で個人がネットショップを開設できるんです。
びっくりするくらい簡単なので、拍子抜けした記憶があります。でも、今は個人でモノを売ることもそれくらい手軽に行うことができるようになったんですよね。
このBASEを使ってネットショップと各商品の販売ページを作り、イメージ画像を載せる。
商品が売れた際の注文やお金の管理もこれひとつで行うことができて本当に便利でした。
受注期間は「注文から発送までに60日以内」を守れるよう設定する
ショップを開設して商品ページも公開したら、いよいよ商品の注文受け付けを開始します。
ある一定期間を設けて、その期間内に頂いた注文分を生産し販売するのが受注生産というもの。
いわゆるこの”受注期間”ですが、これの設定には最も神経質にならなければいけません。
なぜならBASEではお客さんに商品を買って頂いてから、発送までに要する時間が30日(延長後は最大60日)を過ぎると注文が自動的にキャンセル扱いになってしまうからです。
(代金の支払い方法にキャリア決済(docomo/au/Softbankが用意している決済方法)をお選び頂いていたお客さんの場合は58日)
そのため、受注生産で商品を販売する場合は事前に制作に掛かる正確な時間を把握しておくことが必要不可欠です。
今回、ぼくはボディーの仕入先と刺繍入れをお願いするお店が別だったため・・・
①注文が入った数のボディーを発注して手元に届くまでの期間
②ボディーを刺繍屋さんに持ち込んで、完成するまでに必要な時間
③完成した商品を発送するまでに必要な時間(梱包など)
上記3つを合わせて、注文を受けてから発送までに掛かる時間を60日以内になるよう、逆算して受注期間を設けました。
事前に刺繍屋さんに、おおよそ刺繍をお願いしたい数(ぼくは10着でお聞きしました)をお伝えし、完成するまでにどれくらいの時間が必要かを聞いて把握しておきます。
ちょうど忙しい時期と重なってしまったこともあり、1ヶ月前後の時間が必要とのことでした。
そのため①に必要な時間を3~4日、③に必要な時間を2~3日と過程して、全て含めても余裕を持って60日以内に終えられるよう、受注期間を2週間に設定しました。
受注生産は素人でも在庫リスクを抱えることなく洋服などの商品を販売できる便利な方法です。
しかし注文を頂いてから発送までに必要な日数は絶対に60日以内に収められるようにしておきましょう。
受注生産で洋服を作って売るにあたっての注意点
ぼくが洋服を受注生産して販売するまでの流れはこれまでに書いた通りです。
ここからは、その流れに加えてぼくが実際に販売を終えてみて、次回以降はここに注意したいと思った部分についての注意点を書いていきます。
商品の発送にかかる送料を明確に把握しておく
今回ぼくは受注生産でパーカーを作ったのですが、販売価格は送料込みで5,000円に設定。
必要な費用は1着につきボディーが2,800円、刺繍代が1,080円、送料が500円になる予定で、残りの数百円が利益になればいいな、と思っていました。
送料はパーカー実物を手に取ってそのサイズ感や重さから、ネットで適当に調べた送料表に基づいて「たぶん500円もあれば送れるはず」と考えて設定したもの。
ところがこの適当な計算は大きく外れていたんです。実際には1着を送るのに掛かった送料は700円でした。
つまり利益が1着につきマイナス200円の計算になります。
今回の計画は好奇心が先行して行ったもので、利益はほとんど求めていませんでした。しかし、本格的にビジネスをするとなれば致命的なことです。
もし利益を得るために行うのなら、送料がいくら掛かるのかを事前にしっかりと把握しておきましょう。
他の工程において掛かる費用の計算はすぐにできても、送料の計算ってちゃんと行わないと予想外に大きなお金が掛かってしまうところでもあります。
ちなみに送料が500円ではなく700円になってぼくの利益はどうなったかというと、今回はボディーをまとめ買いすることでたまたま10%割引を受けることができたため、その分で相殺されました。
結果、当初予想していた額とあまり変わらず、1着につきおよそ690円。
原価85%超えの優良パーカー。平均原価が30%前後のアパレル業界において、利益を求める企業には絶対にできないことですね。
ボディーの在庫は常に変動。予め第二候補まで決めておいた方がいい
今回ぼくは自分で洋服を作って売るにあたって、何があっても絶対にボディーの品質には妥協をしたくないと考えていました。
できる限り高品質なパーカーを、できる限り安い販売価格で提供したい。
先に「販売価格は5,000円くらいには収めたい」と決めて、その中で他の費用を差し引きながらボディー本体に使える金額を逆算。
かなり時間を使って徹底的に選び抜き、結果としてUNITED ATHLEのヘビーウェイトパーカーを採用。
個人が洋服を作る上ではよく採用されるブランドだし、そこそこ定番アイテムだし、メーカー在庫も各色数百〜数千単位で残っているから余裕で確保できるだろう。
そう思っていたのですが、いざ受注期間を終えてメーカーにボディーの注文を行おうとすると、頂いた注文18着分のうち、ある2着分のサイズ・カラーの在庫がどこにもない。
冷や汗が止まりませんでした。でも、何とかして在庫を確保して早めに買って下さった方の手元に届けたい。
その一心でメーカーに問い合わせてみるも、大元でありながら「入荷時期は未定です」とのことでした。
他に何か方法はないか、売っているサイトはないかと探し続けること約1時間。僅かながらZOZOTOWNに欲していたサイズ・カラーの在庫があったため即購入しました。
ぼくは最初に”パーカーのボディーは2800円”と書いていましたが、実はあれって卸しを通してメーカーから買い付ける方法を取ったときの特価なのです。
実際に洋服を作る用途でも何でもなくUNITED ATHLEのヘビーウェイトパーカーを購入すると、販売価格は約5,000円。
サイズ・カラーが欠けているためZOZOTOWNにて購入した2着の原価は刺繍代、送料込みで考えると6,000円オーバーに。
もはや赤字ですが、全体で計算すればかろうじて黒字にすることができた・・・というかなりのギリギリ具合です。
こういった事態に陥らないよう、ぼくが次に受注生産で服を作るなら、ボディーは第二候補まで準備しようと思います。
提示していたボディーの在庫がカラー・サイズによっては確保できない場合があれば、その分は第二候補のボディーで生産する。
とはいえ妥協を許したくはないので、ぼくとしては”第二候補”とは呼んでも「どっちを使って作ってもいい」と思えるクオリティーのものを用意したいところ。
もしくは自分の利益が減ってでも、ZOZOTOWNをはじめとした通販サイトから買い付けるか、のどちらかになりそうです。
受注期間終了までに代金を全て受け取れるようにすると動きがスムーズに
受注生産の形を取ってモノを販売するとなれば、前述したように予め受注期間を設け、その期間内で注文を承ることになります。
しかしその場合はお客さんの代金支払い方法に関してひとつだけ不安が。それが代金の支払い方法に「銀行・コンビニ払い」をお選び頂いた場合です。
BASEを利用した場合、銀行・コンビニ払いの代金支払い期限は注文日から5日となっています。
例えば受注期間最終日に、代金の支払い方法を銀行・コンビニ払いにして注文をして下さったお客さんがいた場合。
在庫を抱えるリスクを極力避けたくて受注生産を行っているため、ボディーを仕入れるにしても確実に代金を頂いた数だけを発注したいものです。
かつ、注文を頂いてから生産する形のため、通常の販売方法よりもお客さんの手元に商品を届けるには時間が掛かる。その分だけ、受注期間を終えてからの行動は早めに起こしたい。
でも、ボディーの発注も全ての注文分をまとめて行いたい。
つまり受注期間を終えても代金未払いの注文があると、次のステップに進むまでに少し遅れが出てしまうんですね。
かと言って、せっかく買って下さったお客さんにはできる限り「早くお金を払ってきて」なんて催促もしたくないですよね。
というかお客さんは全く悪くなくて、それを考えずに受注期間を設定してしまった自分が悪いんですから。
この辺りもぼくがまた受注生産で洋服を作るとしたら、お支払い方法に銀行・コンビニ払いをお選び頂く方のご注文は受注期間終了の5日前までに設定するなり、工夫をしたいところです。
洋服はお届け時期から逆算してシーズン中に届けられるように
最後に注意すべき点として、洋服を販売する際はアイテムによってお届け時期から逆算し、シーズン中にそれをお届けできることが大切になってきます。
例えばTシャツを作って売りたいなら、買って下さった方が届いてすぐに、かつ長く着れるように6月上旬〜7月半ばまでにはお届けできるように。
パーカーを売りたいなら、2~3月もしくは10月〜11月にお届けできることがベストです。
その時期から制作・発送作業にどれくらい時間が掛かるのかを逆算して受注期間を設けるようにしましょう。
とは言ってもぼくが今回行った計画は「刺繍を入れたパーカーを作って売りたい」と最初に思った時点で3月に差し掛かっていたため、時期的には少し遅めでした。
結果として買って下さった皆さんにパーカー(それもボディーはなかなか厚め)を全てお届けできたのは5月中旬。関東では半袖を着ている人もちらほらいらっしゃる時期です。
今回は思いついたタイミングが遅かったこともありますが、もし前々からやりたいことが決まっているのであれば早めに動いて損はありません。
プリントや刺繍をお願いするお店によって納期も違ってくると思うので、事前に大体の販売見込み数を予測して「○○を何着くらい」お願いしたいのですが・・・と問い合わせておきましょう。
そこにご自身が発送を行うまでに必要な日数などを含めながら逆算し、最適な時期にお届けできることを考えます。
TwitterやInstagramなどのSNSで宣伝をしよう
ここまで自身のネットショップを開設して、洋服を作って販売するために必要な工程の説明をしてきました。
しかし、実際にオリジナルの洋服を作ったとして、それがどれだけ格好良かったとしても、売るためにはまず人に知ってもらわないと意味がありません。
人に商品を知ってもらうためにできることも、インターネットが発達した今の時代ならたくさんあります。
TwitterやInstagramといったSNSアカウントを作って発信をしたり、YouTubeアカウントを作ってみたり。
無料でもできるそれらの方法を活用して、自分が作ったブランドや洋服の宣伝、商品に込めた熱意を積極的に発信していきましょう。
ミュージシャンがいい曲を作っただけでは認知されず、CDが売れないのと同じで、いい服を作っても人に知ってもらえなければ売れず、意味がありません。
ただ洋服を作るだけじゃなく、宣伝活動にも力を入れること。
これはとっても大切なことです。
刺繍/プリントを入れて洋服を制作・販売したい人におすすめのお店
今回ぼくがオリジナルの刺繍を入れたパーカーを作ってみたり、販売中のプリントTシャツを作るにあたって制作をお願いしたお店をご紹介します。
個人がオリジナルの洋服を作る際には・・・
①卸しのお店からボディーを仕入れ、それを刺繍/プリント屋さんに持ち込み加工をお願いする
②仕入れから刺繍/プリント入れまでを一貫して承ってくれるお店にお願いする。
上記2つの方法を使うことが多くなると思います。
刺繍 縫-nui- さん (千葉県柏市)
ぼくがパーカーに刺繍の加工をお願いした刺繍専門のお店。
Instagramを見て分かるように、芸術的な刺繍が特徴的。テレビ出演経験もあったり、色々な賞を受賞されていたりと、その技術の高さは折り紙つきです。
ぼくもご購入頂いた皆さんの感想をメールやSNSで頂いたのですが、とても大好評でした。
オーナーさんに「こうやって刺繍を入れてほしい」と、かなり雑なイラストに意見を添えてお願いをしてしまったのですが、それをとても可愛い形に仕上げて下さりました。
今回ぼくは持ち込みでお願いをしましたが、ホームページのお問い合わせフォームからも見積もりのお願いをすることができます。
CORNER PRINTING さん (ネット限定)
ボディーの仕入れから刺繍・プリント入れまでを一貫して行ってくれるのがCORNER PRINTINGさん。
作りたい洋服のボディーを選び、デザインをメールで送れば完成品を送って下さるため、簡単にオリジナルの洋服を作ることができちゃいます。
ぼくは販売中のTシャツをCORNER PRINTINGさんに制作して頂いたのですが、とても丁寧にメールの対応をして頂き本当に助かりました。
完成したTシャツのクオリティーも高くて、格好良く仕上げて頂きました。特にプリントアイテムを作りたいときにおすすめです。
洋服は個人でもリスクゼロで簡単に作れる!オリジナルを発信しよう
ということで、自分が作ったオリジナルの洋服を販売するまでの過程を簡単にまとめてみると・・・
① 洋服のデザインを考える
② 業者さんにお願いして洋服を製造する (もしくは受注生産の形を取る)
③ BASEで自分のネットショップを立ち上げる
④ SNSやブログを使って集客し、商品を認知してもらう
⑤ 売れた商品は速やかに発送する
といった流れになります。
以上、何者でもない個人のぼくがオリジナルの洋服を作るまでに行ったことやその方法、実際に作ってみての反省を全てまとめてみました。
実際に制作・販売してみて、個人でも思っていたより簡単に、かつ受注生産の形を取ればリスクもなく作ることができると分かりました。
PhotoshopやIllustratorを使うことが得意で、日頃からオリジナルのデザイン制作を行っている方は是非、ここでご紹介した方法を使ってそれを洋服にしてみてはいかがでしょうか。
販売する行為そのものが楽しいのはもちろん、誰とも被らないオリジナルの洋服を自分で着るのも本当にワクワクします。
ぼく自身、デザイン制作は得意ではありませんが、洋服の品質にはうるさい人間なので今後も自分が着たいと思える洋服を作ってみたいと思います。
こうした活動を小さくでも続けながら、いつかは既製品のボディーを選ぶところからではなく、作るところから始められるようにもなりたい。
自分のオリジナルを世に出す行為って本当に楽しい。この記事が、洋服を作ってみたいとお考えの方の参考になれば幸いです。
その為の第一歩として、まずはBASEを使って無料でショップを開設してみましょう。
追記:「Up-T (アップティー)」なら生産から販売までを簡単に
かねてより存在している「Up-T」
それだけでも非常に便利なのですが、それが先程も記事内でご紹介した、個人でネットショップを開設できるサービスのBASEとの連携を開始しました。
つまりどういうことかと言うと、up-Tで作った洋服をそのままの流れで簡単にBASEで販売できるようになったんです。
作った服が売れたら、up-TからBASEを通じて直接お客さんへの配送作業までを行ってくれるので、自分で発送作業を行う手間も省けます。
もはやリスクも手間もなく、自分が作った洋服をネット上で販売することが可能になっているんです。
個人で洋服を作るために使えるサービスは色々ありますが、「多すぎて選べない」という方には「Up-T」
Up-Tで作った洋服を販売する場所として、BASEの会員登録も忘れずに行っておきましょう。
個人で服を作って売る過程を学ぶのにおすすめの本
ブランド「ハードコアチョコレート」を個人で始め、多くの芸能人に愛されるまでに成長させたMUNEさんが書かれた、こちらの本もおすすめです。
いわはし
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