最近、ぼくの周りの友達にもジーンズにこだわりを持っている人が増えて、その楽しみを共有できることが嬉しいです。
ぼくと同じようにA.P.C.のPETIT STANDARDを買ったり、「PETIT STANDARDは買えないけど、ジーンズを育ててみたくなった」と言う友達がいて。
それってもしかして、ぼくのブログを読んでくれていて、それでってことなのかな・・・だとしたら、それ以上に嬉しいことはありません。
このブログでは何度も書いているように、ぼくは今、A.P.C.の代表作とも言えるジーンズ、PETIT STANDARDを育てています。
穿き始めてからもう2年が経ったのかな。ずっと色落ちを観察しながら記事にしていますが、ジーンズを”履く”ではなく”穿く”と書くのも小さなこだわり。
周りの人に比べれば少しばかり洋服が好きなぼくは、やっぱり少しばかりそれに対するこだわりは強い。
ファッションは数少ない趣味なので、いい服を買うためなら高いお金を出すこともあまり惜しみません。
でも、ふと考えてみたんです。ぼくはどうして高い服ばかり買っているんだろう?
例えばPETIT STANDARDはジーンズ。ジーンズならGUへ行けば、990円で買えるのに、どうしてわざわざ、それより2万円も高いものを買うんだろう?
それなりの理由があってPETIT STANDARDを、今持っているレザージャケットを、服を選んできましたが、じゃあその理由って何だったんだろう?
そんなことを改めて考えてみたので、結果を記事にまとめてみようと思ったのでした。
”洋服”を構成する5つの重要ポイント
それを考えるには、根本的に”洋服”というものを構成するポイントを挙げてみるといいのでは?
結果として5つの重要ポイントが浮かび上がってきました。
それが①生地(素材がそれを構成する)、②シルエット(パターン・型)、③デザイン性、④ジップ・ボタン、⑤縫いの工程数(多いor少ない・簡単or難しい)
上記5つが洋服を構成するポイントで、高い服と安い服の違いはこれら各ポイントにおけるグレードの差から成るものなのではないでしょうか。
例えば①の生地でいうと、良質な生地を使えば使うほど、糸を染めたときの発色がいいなどのメリットがある。
しかしそれを作るために多くの手間が掛かる。はたまた、生産できる量が少ない・・・などなど、色々な理由があるため、買い付ける際の生地値はやや高め。
それを使って作られた服は当然、生地値の安い生地から作られた服よりも原価が高くなります。一定の利益を確保するために販売価格も高くなる。
②のシルエットを追求すれば、パターン(洋服を作るのに必要なパーツを型に取り、それに合わせて生地を裁断すること)の段階において手間が増えます。
先日、生地メーカーの方にお話を伺ったところ、パターンの違いに関してはシャツのお話がとてもわかりやすかったです。
どう違うかというと、”高級ブランドのシャツほど、ハンガーにかけたときに腕部分が前に曲がる”んだそう。
理由としては、パターンを作る段階で人間の腕の形に合わせて生地を微妙にカーブさせながら裁断するから。
その分、同じ生地量を用意していたとしても1枚の生地から切り取れるパーツの数が、真っ直ぐ裁断したときよりも少なくなります。
カーブした分で幅を取るからなのでしょう。
シルエットを追求すると限られた生地量に対して多くの生地を使うようになる。その分、同じ生地量でも生産数が減るため、1着あたりの単価を上げる必要が出てきます。
だから、シルエットにこだわるのとそうじゃないのでは販売価格にも差が出てくるとお話でした。
反対に一般的なカジュアルブランドの場合は腕部分の生地を真っ直ぐ裁断するので、カーブしない分だけ多くパーツを裁断できる。
結果として量を多く作ることが可能になり、単価を安く販売できるんだとか。
カジュアルブランドのお店に足を運んだときと、ハイブランドのお店に足を運んだとき。シャツの腕部分に注目してみてください。
「シルエットにこだわっているブランドのアイテムならば、ハンガーに掛けたときに腕が必ず前に曲がっているはずですよ」と仰っていました。
このお話を聞いたとき、やっぱり洋服作りって面白いな・・・と心底思ったのでした。こういうお話が本当に大好きで、無限に聞いていられます。
④のジップやボタンに関しては、ここに何を採用するかによってはせっかく良質な生地を使っている服であろうとも、見た目の印象に大きな差が出てきます。
どれだけ良質な生地を使ったシャツでも、プラスチック製の薄いボタンを採用していれば見た目が安っぽく見えてしまう。
ブルゾンでも同じことが言えて、よく見るYKK製のジップと持ち手を採用していると、それだけで安っぽく見えてしまいます。
シャツには貝ボタンを使うと高級感が増して。ジップにはWALDESなどマニアをも唸らせるそれを採用すると高級感が増して。
それらは当然、量産向けのボタンやジップよりも単価が高いため、採用すればその分だけ販売価格も上げざるを得ません。
このお話に関しては過去に何度も書いていますが、洋服はボタンやジップを変えるだけで全体の印象も大きく変わります。
高級感のあるそれらを採用しているかどうかは、ぼくが洋服を買う上での大きな判断基準なのでした。
⑤に挙げた縫いの工程に関してはパターンと大きな関係があって、先ほどのシャツの話をすると真っ直ぐに裁断した方が縫う手間もなく簡単に仕上がります。
一方で曲線を縫う場合はそう簡単にいかないため、その分だけ縫いに必要な工程が増えてきます。手間が多くかかる分、これまた製品の単価を上げることに繋がってくる。
デザイン性、品質の追求、1周してまたデザイン性を楽しむために
①ファスト・カジュアルブランド、②国内デザイナーズブランド、③海外デザイナーズブランド
世の中にある全ての洋服を、ぼくは大きく上の3つに分けて考えています。
いわゆる”安い服”としてファスト・カジュアルブランドを。高い服として②、③を分類しています。
上記3つに、最初に挙げた”洋服を構成する5つのポイント”を当てはめながら考えてみると下図のような結果になると思っていて。
安い服と高い服の違いに関して言えば、前述したように”洋服を構成する5つのポイント”におけるグレードの差から生まれます。
各々の違いを突き詰めたとき、何が違うのかといえば、ファスト・カジュアルブランドは安い金額でデザイン性を楽しむための洋服であるということ。
国内デザイナーズブランドの洋服は適正な価格で良質な作りを楽しむための洋服であるということ。
海外デザイナーズブランドの洋服は1周回って、世界中で評価されているアート的なデザイン性を楽しむための洋服である、ということです。
3つに分類したそれぞれの洋服が持つ特徴をざっくりまとめた結果として、ぼくはこう考えています。
ただ誤解しないで頂きたいのが、デザイン性に関してのお話で。
もはや個人の感性や好みの違いでしかないので、これに関して優劣を付けるつもりは一切ありません。
ただ海外デザイナーズブランドの洋服が日本でも人気を得ている時点で、そのデザイン性に関しては◎
これもブログで書き続けていることですが、国内デザイナーズと海外デザイナーズの間に圧倒的な品質の差はないと思っています。
あるのはデザイン性の違い。海外デザイナーズの洋服は輸入している分、日本で買えば現地で買うよりも高いのは当たり前。
高いお金を払って海外デザイナーズブランドの洋服を買うとき、そのお金はデザイン性に払っているものだと考えています。芸術の世界、アートと同じ。
安い服と高い服の違いに関しては、ここまでの内容でまとめてきました。
しかし正直なところ見ただけじゃ、触れただけじゃ高い洋服と安い服の違いがわからない人の方がきっと多い世の中だと思います。
洋服に興味を持ったところからドンドンのめり込んでいくと、国内デザイナーズか海外デザイナーズのどちらかにハマるところまで行く人が多いのは間違いなくて。
でも、そこに足を踏み入れてからはもはや自己満足の世界なんですよね。
生地がいい服を、シルエットがいい服を着ているから今日の自分は気分がいい、と考えるようになってくる。
ファスト・カジュアルブランドの洋服でファッションを楽しんでいた頃は”周りからおしゃれに見られたい”その一心で。
国内デザイナーズの洋服を楽しむようになれば、より完璧な生地感やシルエットを求めて。
海外デザイナーズの洋服に手を出すようになれば、美術館で気に入った絵を買って帰ってしまうのと同じような感覚だと思うんです。
結果として高い洋服に手を出すようになればなるほど、自己満足の世界へと足を踏み入れていくのでしょう。
もちろん人からおしゃれに見られたい気持ちもあるけれど、それを踏まえた上で訪れる自己満足の世界へと。
まったくお金のかかる趣味ですね・・・洋服って。それでも楽しいからぼくは、この沼から抜け出せる気がしていません。
コーデの基盤、黒スキニーは安くてもシルエットが良ければ十分
ぼくは洋服を買うときに、アイテム単体での格好良さや品質の良さを求めがち。
ですがオシャレをしたいと思ったとき、実際には単体の洋服同士を組み合わせて全体を作る”コーディネート”を重視するのがファッションというもの。
いくら単体で格好いいアイテムがあったって、それらをただ組み合わせれば格好良くなれるかと言われたら、全くもってそうではありません。
コーディネートを組むときには遠くから全体を見る姿勢と、主役を引き立てるために引き算の考え方も重要になってきます。
いちばん簡単に格好いいコーディネートを組む方法としては、トップスにインパクトのあるアイテムを持ってくること。
そうなったとき、ボトムスには引き算の考え方が必要になってきます。ここで優秀なのが、ボトムスの定番との呼び名も高い黒のスキニーパンツ。
ボトムスには基本的に黒スキニーを持ってくれば、トップスにおけるコーディネートの自由さは途端に広がります。
例えるなら黒スキニーは、コーディネートを自由に組み立てるために便利な土台のようなもの。
ハイブランドが大好きな友達はよくやっていました。トップスには思いっきり高価で派手な主役級のアイテムを持ってきて、ボトムスには安く買える黒スキニー。
黒のスキニーパンツって、よっぽど大きな差がない限りはパッと見じゃそれが高いか安いかなんて、誰にも見分けが付かないアイテムなんですよね。
より高い自由度でコーディネートを楽しみたい。そう思ったのなら、ボトムスには黒スキニーを採用するのがいちばん。
税込みで4,980円とお手頃価格で手に入る上、シルエットも綺麗なDcollectionの黒スキニーがぼくのおすすめです。
ザ・王道の黒スキニーと言わんばかりの細身で綺麗なシルエット。それでいてお手頃な価格帯。
ボトムスにはこの1本を採用すれば、トップスの自由度は非常に高く、より楽しくコーディネートを組むことができちゃいます。
コーディネートの基盤となる黒スキニーのようなアイテムに関しては、安くてもシルエットが綺麗ならば大いに十分。
1本持っておけばファッションがさらに楽しくなるアイテムなので、ぼくは心底おすすめします。
いわはし
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