ファッションの楽しみ方は無数にある。
それに正解はないし、本当に人それぞれだと思うんです。
ぼくが洋服を好きな理由は、少し前に記事にした通り。
ぼくにとっての洋服は、自分に自信を与えてくれるものであり、その日の気分を上げてくれるものでした。
洋服における「経年変化」と「劣化」の違いを知る
でも、ちょっと違った角度から眺めればまた新しい楽しみ方に出会えた気がして。
それが洋服における「経年変化」と「劣化」の違いを知ることで見えてくる。
最近はむやみに買い物をする回数が減って、私服の制服化をしようと考えているぼく。
ちなみに私服の制服化っていうのはその名の通り、毎日同じ洋服を着て過ごすこと。
毎日違った格好をするために妥協してまでコーディネートを組むくらいなら、本当に大好きな洋服を毎日でも着る。
その方が日々をいい気分で過ごせる気がしているんですよね。
もちろんシャツやTシャツは1日おきに洗濯します。
お気に入りの肌着を見つけたなら、同じそれを数枚買って着回すようにする予定。
・・・っていう試みが、私服の制服化。
それを進める上でも、この記事で触れるような洋服における経年変化と劣化の違いを知っておくとすごく合理的。
ひとつの幸せなファッションの楽しみ方が完成すると思うんですよね。
経年変化は洋服にプラスの価値を与える
まずは経年変化。これって洋服好きにはたまらないキラーワードで。
何かを買うとき、店員さんに「これは着れば着るほど経年変化を楽しめますよ」
なんて言われてしまったら、かなり前向きに購入を検討しはじめる悪魔の言葉。
経年変化とは何かを簡単に説明するなら、これが持つ意味は文字通り。
時が経つにつれて変化する洋服のことを指します。
そしてこの変化というのが、マイナスではなくプラスの意味を持つ。
洋服の世界において「経年変化」というと、時が経つにつれて価値が上がっていく様を指すんです。
ちなみにここでいう価値とは、どちらかといえば市場におけるものではなく、持ち主にとっての価値。
経年変化を魅せてくれる代表的なアイテムといえば、ジーンズやレザージャケット。
これらは着用歴が長くなればなるほど、シワや褪せた雰囲気を増して新品にはない表情を魅せてくれるようになります。
劣化は洋服に価値の減少をもたらす
一方で劣化は、経年変化と似ているようで少し違う。
こちらは時が経つにつれて洋服の見た目が劣っていく様子を指します。
経年変化とは違って、劣化は洋服に価値の減少をもたらします。
つまりマイナスの意味。
劣化する生地といえばシルクやレーヨン、コットンといったところでしょうか。
これらを使った服は着込んでいくうちに汚れたり、穴が空いたりしてきます。
経年変化と劣化を分けるキーワードは「アジ」
「経年変化と劣化の違いはわかったけど、その判断基準がわからない」
ここまでを読むと、そう思う人がほとんどだと思います。
確かにこれらを分ける判断基準ってすごく曖昧だし、何より難しい。
洋服をずっと好きなぼくも最近意識するようになったのですが、これらを分けるキーワードは「アジ」にあると思うんです。
経年変化を魅せてくれるアイテムにはアジがある。
ジーンズやレザージャケットは経年変化するアイテムで、そこに増えた汚れやダメージのことはアジと呼ぶ。
着用するにつれて増えるアジが、新品にはない魅力的な風合いを魅せてくれるから。
一方で汚れやダメージが増えることで見た目がどんどんみすぼらしくなっていく服は劣化の道を辿るだけ。
そこに増えた汚れやダメージのことをアジとは呼ばず、ただの汚れやダメージに過ぎないことになる。
難しいけれど、要は汚れやダメージが増えることでその服がサマになっていく様子が経年変化。
逆にみすぼらしい見た目に変わっていくものが劣化。
ジーンズやレザージャケットは経年変化を魅せてくれるけれど、その他の服は劣化の道を辿る一方にある。
ここまでくるともはや感覚的な話になってきちゃいます。
同じように汚れた服でも、レザージャケットやジーンズをカッコいいと思ってしまうのはどうしてなんでしょう?
これはもはや、「男のロマン」としか言い表せないような気さえしてきますね。
経年変化する服を大切にすれば、ぼくらは幸せになれる
ひとつのファッションの楽しみ方として。
ぼくらは、経年変化する服を大切にすれば幸せになれるんじゃないかな?
もちろん毎日、全身を経年変化する服だけで着飾ることなんてできないけれど。
洋服を選ぶときに、その服が経年変化することに重きを置くとまた違った楽しみ方ができるようになるんですよね。
例えばぼくが私服の制服化をするなら、アウターはBeautiful Peopleのライダースジャケット、シャツは無印良品のオックスフォード。
ボトムスはA.P.C.のジーンズで、足元は晴れならMIHARAYASUHIROの革靴、雨ならVANSのOLD SKOOL。
この中で経年変化を魅せてくれるのはライダースジャケットとジーンズ、革靴。
劣化の道を辿るのはシャツとスニーカーです。
振り返ってみれば、ぼくは高い服を買うにしてもそのほとんどが経年変化を魅せてくれるものでした。
ぼくは「高くても経年変化を魅せてくれる服にはお金を費やす。そうでない服は安く済ませる」
こう考えていることがたった今、明確になってきた。
これもぼくが持つファッションにおけるひとつのこだわりで。
意識することで洋服選びが、日頃のコーディネートが面白くなってきます。
経年変化と劣化の違いを知るのには時間がかかるし、判断基準も難しいけれど。
なんなら素材が同じコットンでも、編み方やそれを使って作られた生地によってどっちの道を辿るかも変わってくるけど。
また新たな角度から洋服を楽しみたいのなら、経年変化する服を買うことに重きを置いた方が絶対に楽しいんですよね。
洋服の世界って、とっても奥が深いです。
いわはし
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