こんにちは、ジーンズ大好きいわたです。
高校生の頃、洋服に興味を持ちはじめたばかりのときは穿きたくなかったジーンズ。
「ジーンズって重いし、動きづらいじゃないですか?」
当時のぼくはこれが口癖でした。
それから一転、ぼくがジーンズに興味を持つようになったのは高校生も終わる頃でしょうか。
近所に洋服のリユースショップができて、ぼくは頻繁に足を運ぶようになって。
てっきり1本1万円するものだと思っていたジーンズが、そこには500円ちょっとで大量に並んでいたのです。
ぼくは大量のそれら1本1本に目を通し、穿き古されたジーンズにおけるそれぞれの表情はこうも違うのかと驚き。
片っ端から試着をして、気に入った色落ち具合のジーンズを数本、まとめて買ったのを覚えています。
買った中古のジーンズを穿いているうちに、ジーンズはどうして色落ちするのか?
どうして表情や色落ち具合の同じものがふたつとしてないのか?
そんなことを調べたり考えたりしているうちに、古着のジーンズもかっこいいけど、色落ちする過程を楽しみたい。
こう思うようになり、ぼくにとって理想のリジッド(新品で糊のついた)ジーンズを探すように。
結果として見つけたのがA.P.C.のPETIT STANDARDで、当時高校生だったぼくはそれを見に有楽町の阪急メンズ東京へ足を運んだ。
けれど、高校生のぼくに16,000円+消費税のジーンズは高かった。
それから数年後、今ぼくは毎日のようにPETIT STANDARDを穿いています。
当時は16,000円だったけれど、ぼくが去年買ったときは20,000円+消費税にまで値上がりしていた。
大幅に値上がっていたけれど、ようやくぼくは数年越しにずっと穿きたかったジーンズと時を共にできている訳です。
ジーンズの名産地、岡山県倉敷市へ行ってきました
先日までぼく、岡山県は倉敷市に滞在していました。
倉敷といえば・・・そう、デニム生地、そして何よりジーンズの名産地です。
服好きとして前々からずっと興味があって、絶対に足を運びたいと思っていた場所でした。
行ってみると観光名所の美観地区は景色や街並みが本当に綺麗で、とっても心が洗われました。
いやーいい景色。
街並みも昔ながらの日本を象徴するかのようで、歩いているだけでとってものどかな気分になりました。
余談ですが、今回倉敷へ行くために使った手段はヒッチハイク。
ヒッチハイクの聖地と呼ばれる東京は用賀スタートで、友人と2人で4月の3日に行いました。
新年度早々こんなことをやってる奴、乗せてくれる人いるのかよ・・・と思いましたが、道行く人は皆さん優しくて。
お陰様で初日は大阪まで、2日目で岡山は倉敷まで辿り着くことができました。
乗せてくれる人の優しさに触れて、改めて日頃からある出会いのひとつひとつを大切にしなくちゃなと思えるいい経験でした。
それだけでもありがたいのに、ご飯を奢ってくださった方や、目的地を過ぎてまでぼくらのことを送り届けてくれた人。
幸せでした。この記事を読んでいるかはわからないけれど、乗せてくださった皆さん、本当にありがとうございました。
ジーンズの名産地へ行って、ぼくは衝撃を受けた
話が脱線しまくっていますが・・・そんなこんなで幸せな気分に浸りながら岡山県は倉敷市に到着したぼくら。
デニム生地の、ジーンズの名産地ってどんなところなんだろう?
期待に胸を膨らませながら足を運んだ訳です。
そこへ実際に足を運んで感じたこと。
ここからはそれを、いち個人として率直な意見で綴っていきたいと思います。
ジーンズの名産地、岡山県倉敷市。
ぼくが感じたのは、美観地区近辺にお店を構え、そこでこだわりを持ってジーンズを作っているお店は本当に素晴らしいということ。
けれど、倉敷の中でも特にジーンズの名産地として知られている児島。
ここにある「児島ジーンズストリート」に、ぼくははっきり言って衝撃を受けました。
言ってしまうのであれば、それは悪い意味での衝撃です。
ジーンズストリートの現状と在り方、そして活気のなさに、ぼくはショックにも似た衝撃を受けました。
倉敷市の美観地区、ジーンズ愛に満ち溢れたお店
岡山県はデニム生地、そしてジーンズの名産地として世界から注目を浴びています。
その中でも特に倉敷市にある児島という場所。ここで生産される「児島ジーンズ」はもはやひとつのブランドとなっている。
余談ですが、ジーンズとはデニム生地を使って作られたボトムスのこと。
「デニム」とは、あくまでも生地の名称です。
今回、ぼくらはそんなジーンズの名産地である児島へ足を運ぶよりも前に、倉敷市の美観地区に訪れました。
本命中の本命である児島は最後の楽しみにとっておこう、なんて気持ちがあったから。
最初に訪れた美観地区、先程載せた写真のような観光スポットからは離れますが、そこにもジーンズを売るお店がちらほら。
倉敷発のブランドで、ジーンズ作りに魂を注いでいる様子が店員さんのお話からとっても伝わってきました。
このお店は、美観地区に入る少し手前にお店を構えるHEART MADE BASEさん。
店員さんに許可を頂いて、店内の写真を撮らせて頂きました。
ここで店員さんから聞かせてもらった、それぞれのジーンズ作りに込められたこだわりや想い。
これが本当に素敵なものでした。
モノづくりに一切の妥協を許さず、生地だけでなくリベットやボタンにおけるまで徹底的にこだわる。
本気の服好きを虜にする魅力を持っているお店でした。
「ジーンズの名産地」とだけ聞いてくると正直、服好きとしては「生地がいいだけ」なんじゃないの?と思ってしまいます。
実際、そういったお店は山ほどありました。
生地はとんでもなく良質なのにシルエットがどこか野暮ったかったり、ボタンが安っぽくて残念だったり。
しかし、HEART MADE BASEさんは違った。
シルエットから細かいディテールまで、服好きのツボを捕らえて離さない。
本当の服好きからはこういったお店が愛されるんだろうな、と思いました。
言ってしまえばぼくらほど細かなディテールにこだわる人間の方が少数なので、刺さるブランドが少ないだけなのかもしれません。
しかしここで紹介したHEART MADE BASEさん、
そして写真は撮り忘れてしまいましたがBLUE SAKURAさんは服好きからの支持が高そうな、本当に素敵なお店です。
倉敷へ足を運んだ際には、絶対に寄って欲しいお店。
児島ジーンズストリートはもはやゴーストタウン
美観地区の街並みや、ジーンズを販売する各お店の持つ素敵なこだわりの感じ取って。
ぼくらは電車に乗って、美観地区から少し離れた場所にある児島ジーンズストリートへ向かいました。
児島は世界的に有名なジーンズの名産地。
そこに広がるジーンズストリートとは、いったいどんな場所なんだろう?
期待に胸を膨らませて足を運ぶと・・・そこには全くもって活気を感じることができませんでした。
児島ジーンズストリートに並ぶお店の半分はシャッターが閉まっていて、残り半分のお店にもお客さんがいない。
まさに地方の現実を目の当たりにした気がしています。
今は一昔前と違って、人々にとっての楽しみが車やファッション以外にもたくさんある時代。
ただでさえ洋服を好きな人が少なく、服が好きな人でさえ洋服にはあまりお金をかけません。
これにはファストファッションの日本上陸も絡んでいると思っています。
なんといえばいいんだろうか。ぼくはこの現実を目の当たりにして、何だかとても寂しい気持ちになりました。
どうして世界的に有名なジーンズの名産地である児島はここまで過疎化してしまっているのか?
ぼくが考えたその理由と、いち服好きとしてぼくが感じた違和感を書いておきます。
ジーンズの名産地へ足を運んで感じた違和感
ジーンズの名産地として名高い倉敷、そして児島へ足を運んだとき。
ぼくはそこに軒並み並ぶお店を見てジーンズを手に取って、それらにどこか違和感を感じていました。
その正体は、ジーンズの名産地という看板と、それに惹きつけられて訪れた服好きが感じるギャップのこと。
これを一言でまとめるとすれば、「期待外れ」それに尽きるでしょう。
確かに倉敷や児島で各お店が展開しているジーンズに使われているデニム生地のクオリティはとんでもなく高い。
ぼくは今愛用しているPETIT STANDARDと出会うまでに数千本以上のジーンズに目を通してきました。
今回多くのお店で目にしたジーンズの生地は、それらを簡単に越えるレベルのクオリティを誇っています。
じゃあ、一体それのどこが期待外れだったのか?
その答えは単純で、ジーンズ自体のシルエットやトップボタンからリベットにおけるまでの細かいディテール。
偉そうなのは承知の上ですが、倉敷や児島の展開するジーンズは、これらの部分が本当にもったいないと感じました。
生産している生地のクオリティはとんでもなく高い。
ぼくもこれだけ上質なデニム生地は初めて見たし、それを使って作られたジーンズを育ててみたいと心底思った。
それでも買うに至らなかったのは、生地以外の部分に魅力を感じなかったからです。
ジーンズにペイントを施したりと、職人さんの熱はとても伝わってきます。
しかしそれを目にしてぼくが感じたのは、作り手に若い人がいないんじゃないか?ということ。
そして優秀なパタンナーがいないんじゃないか?ということでした。
そもそもぼくらのような若い年齢層を、ファッションフリークをターゲットにはしていないのかもしれません。
それでも「ジーンズの名産地」と聞いてそこへ足を運ぶのは間違いなくぼくらのような人間なはずで。
洋服に異様なまでのこだわりを持っていて、量販店に売られているジーンズじゃ満足できない人たち。
最高のクオリティを誇るジーンズを求める人たちのはずです。
一方で倉敷や児島のジーンズは生地こそ秀逸ですが、他が欠けている。
つまりここにミスマッチがあるんです。これが本当にもったいない。
今の倉敷・・・いや、特に児島はせっかく訪れたファッションフリークをがっかりさせて帰すだけな気がしています。
ジーンズの聖地ではあるけれど、シルエットやら細かなディテールにまで究極を求める人たちにはおすすめできない。
言い換えるのならば児島はジーンズの聖地ではなく、デニム生地の聖地。
最高のジーンズを求めるならば、優秀なデザイナーやパタンナーが児島産の生地を使って作ったものを探すべき。
児島という場所に最高のジーンズを求めると、肩を落として帰ることになるでしょう。
ぼくらのような服好きの期待に応えてくれたのは、美観地区付近にお店を出していたブランドだけでした。
それは先ほども触れたHEART MADE BASEさんや、BLUE SAKURAさんが代表例。
もしも服好きのあなたが岡山県に最高のジーンズを期待して足を運ぶのであれば、これらのお店へ行くのがいいですよ。
洋服に「本物」を求める人は減った
とはいえ、それ以前に今は一昔前と比べて根本的に洋服を好きな人が減っているのも事実です。
児島へ訪れて肩を落とすそれ以前に、洋服好きは減っている。
それはどうしてなのか?を考えれば、洋服は男の品格を表面化するステータスでなくなってしまったから。
もしくは今の若い人にとって、ファッションよりも楽しいことがたくさんあるから。
若者の車離れなんていいますが、ファッションもそれと同じ。
一昔前ならいい車に乗っていることや、いい服を着ていることがひとつのステータスになっていました。
例えばそれが女の子をデートに誘うときになって有利だったりして。
でも、今はそうじゃない。
そんなステータスよりも、おしゃれなカフェや美味しいお店を知っていることの方がよっぽど重要で。
そうなってくると、車やファッションは二の次になってきちゃうんですね。
洋服を好きでも、こうなってくると高いお金をかける人はそういません。
一時の流行を追うなら、高いお金を出さなくともファストファッションで済む時代。
とってもコスパよく、おしゃれを楽しむことができちゃいますね。
洋服に本物を求める人は減った。
残るは自己満足的にファッションを楽しむ人だけ、趣味としてファッションを楽しむ人だけになりました。
それだけにジーンズを売りにして全国から人を集める岡山県の施策はなかなか難しい。
もっというなれば、地方創生の難しさを改めて体感した出来事でした。
いち服好きとしては、こんな今の状況に少し寂しさを感じてしまいます。
洋服をファストファッションで済ませている人たちに、一度でいいから本物の服に触れてほしい。
その違いに間違いなく驚くから。洋服は量より質にこだわった方が絶対に楽しくて、何倍も奥深いものなんだよ。
児島のジーンズストリートへ足を運び、ぼくはまた新たな想いを胸にブログを書き続けることを決めました。
いわはし
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