多くの初心者向けファッションメディアや雑誌はこう言います。
「おしゃれになればモテるし、人生だって180度変わります!」
ぼくはこの言葉に若干の違和感を感じています。
ぼくが洋服に興味を持ち始めた理由は他でもない。
色々な洋服を着るうちに「まだ見たことのない自分」に出会えるのが楽しかったから。
ぼくは高校生の頃に彼女ができて初めて服装に気を遣うようになった。
その点で言うと、一般的に謳われる「ファッションドリーム」とは順番が逆でした。
しかし、そうして初心者へ向けてファッションのノウハウを伝えるメディアを全否定するつもりは全くありません。
むしろファッションをある目的を達成するためのツールとして使いこなすのはとても素敵なことです。
実際にぼくも彼女ができてデートをするとき、ダサい格好のまま隣を歩くのは恥かしかった。
というか、彼女には「おしゃれな男」だと思って欲しかったので、メディアや雑誌を読んで着こなしを勉強しました。
それはもう、めちゃくちゃお世話になりました。
ただ、多くの初心者向けメディアや雑誌にことごとく登場する「おしゃれになればモテるし、人生は変わる」という言葉。
これってだいたい本当だけど、ちょっとだけ嘘だと思うんです。
どうしてそう思うのか。
この記事には、ぼくがそう思う理由を書いていきます。
「服装にこだわって変えられる」部分は全体の4割だけ
なにも「おしゃれになれば人生を変えられる」というメッセージを全否定するつもりはありません。
外見がよくなって周りに褒められる機会が増えれば、自分に自信を持てるようになって何事にも積極的に挑戦できるようになる。
その繰り返しの先に過去の自分とは別人の自分がいて、振り返ったときに「昔と変わったな」と感じる。
これは紛れもない事実です。実際にぼくもそう感じた経験があります。
おしゃれをして自分を着飾ることは、自分に自信を持つためにはとっても有効な方法です。
ただ、ぼくが疑問を抱くのは「おしゃれになれば自分の”全て”を変えられる」という旨のメッセージに対して。
これはだいたい本当だけど、ちょっとだけ嘘だと思うんです。
加えてこのメッセージには「おしゃれになれば自分が変わるから、それに伴って」というニュアンスが省略されています。
服装にこだわったところで自分の”全て”を変えられはしない。
いくらおしゃれになったところで、自分の力じゃどうしようもなく変えられない部分もあるんです。
これは残酷だけれど真実で、服装にこだわったところで変えられるのは”自分”という全体のうち4割だけなんじゃないかな。
ファッションを学べばブサイクだって報われる?
じゃあそんな”自分”を占める残りの6割は何なのか?
それを占めるのは顔と髪型で、割合は顔が3の髪型が3といったところ。
ぼくは個人的に、顔を除いた7割は努力次第で誰もが変えられる部分だと思います。
メディアや雑誌が「おしゃれになれば(自分が変わるから、それに伴って)人生が変わる」と謳うのに、絶対に触れない点。
それが「顔」なんです。
今のファッション業界や美容業界で、雑誌に登場するモデルはイケメンばかり。
美容室へ行って髪型を決めるにしても、参考にするサロンモデルもイケメンばかり。
フツメンやブサイクを登場させるつもりがまるでありません。
イケメンを雇って雑誌やメディアを運営し「おしゃれになれば人生変わる」なんて言われたって、それじゃ説得力ゼロですよ。
だって、イケメンは他の人が努力じゃ変えられない3割のステータスを、生まれながらにして持っているんだから。
そこにプロが服装や髪型でステータスを足して「おしゃれになれば人生変わるぜ」と言ったって・・・。
「いや、それ顔がいいからじゃん」なんて意見が出てくるのは当たり前ですよね。
実際にネットでは常に絶えることなくそんな話題が飛び交っているし、ぼくだって至極当たり前にそう思います。
ぼくはこの状況にものすごい違和感を感じる。
ヘアカタログにしたって、イケメンの力に頼っている美容室ばかりじゃないか。
生まれつき凡人よりも3割有利なイケメンをベースに、髪型で更に割合を足していけば、カッコよく見えるのは当たり前。
顔3割+髪型3割で、上半身だけで6割のステータスを持ち合わせている訳ですからね。
それより「フツメンかブサイクに髪型で3割のステータスを足してカッコよく魅せる」方が面白いと思うんですよね。
実際にぼくはサロンモデルを募集している美容室にそんな旨の暑苦しいメッセージを送ったことがあります。
これはもう、半分僻みでしたよ。
ちなみに結果がどうなったかは過去にこのブログでも書いています。
下記にリンクを貼っておくので、気になった方だけ読んでみてください。
僻みで話が逸れましたが・・・ここでの問いは「おしゃれになればブサイクも報われるのか?」ということ。
その答えとしては「報われるっちゃ報われるけど、雑誌やメディアの方法は再現性が低い」というのが現状です。
イケメンのファッションはフツメンを越えられない
ただ、顔がいいことで得られるのは必ずしもメリットだけじゃありません。
イケメンはどんな服を着ても似合ってしまう。
そしてイケメンはどんな服を着てもカッコよく見えてしまうから、フツメンよりもそこを追求しようとしない。
事実としてぼくは「おしゃれなイケメン」をあまり見たことがありません。
イケメンは他の人より3割増しでカッコよく見えるから、ファッションが占める4割までも無理に追求する必要はない。
顔と髪型がそれなりにカッコよければ、それだけでおしゃれに見えてしまう。
その時点で周りからも「カッコいい」と言ってもらえるので、それ以上を求めるようなことはしないんですよね。
それゆえ、よほど「洋服が好きなイケメン」じゃない限り、ぼくには彼らのファッションが薄っぺらく見えます。
一方で自分にない3割をファッションの4割でカバーしようとするフツメンやブサイク。
こっちの方がそこにかける熱量は多くなってくる訳で。
イケメンの薄っぺらいファッションは、洋服が好きなフツメンやブサイクの熱量に勝つことができない。
だんだん僻みっぽくなってきましたが、これは僻みじゃないはずです。
ぼくが普段から素直に感じていることのはずです、きっと・・・。
変えられるものを把握して、それをいい方向に変えていこう
最後にこの記事で伝えたかったことをまとめておきます。
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。
引用したのは、アメリカの神学者「ラインホルド・二―バー」による 有名な「二―バーの祈り」と呼ばれる文章。
ぼくは「おしゃれになれば人生が変わる」というメッセージに対して、まさにこれと同じことを伝えたかったんです。
この文章にぼくが伝えたかったことを当てはめてみます。
ファッション初心者へ向けた雑誌やメディアによく登場する「おしゃれになれば人生が変わる」という言葉。
「おしゃれになれば人は変われる」ことに間違いはありませんが、あくまでも変えられない部分も存在します。
「完璧なおしゃれな人」を構成する要素は、顔が3割と服装が4割、そして髪型が3割。
そのうち服装と髪型を合わせた7割の部分は変えられるけれど、残りの3割は変えることができません。
つまり「おしゃれをして人生を変えたい」のであれば、変えられる部分とそうでない部分を最初に把握する必要がある。
そして「変えられる部分」にだけフォーカスして、そこへ向けた正しい努力をする必要があるということです。
「おしゃれになれば人生が変わる」というメッセージは、ちょっとだけ嘘。
「おしゃれになれば(自分が変わるから、それに伴って)人生が変わる」と表現する方が正しいでしょう。
この「自分が変わるから、それに伴って」を実現させるため変えるべきは、顔じゃなく服装や髪型です。
自分の力で変えられる部分を最初にがっつり把握して、そこの改善を続けていく。
そうして自分に自信を持てるようになれば、あとは勝手に好循環のサイクルが回っていきます。
変えられない部分は、変えられる部分でカバーして自分なりに”おしゃれ”の割合を満たしていきましょう。
そうすればきっと「おしゃれになれば(自分が変わるから、それに伴って)人生が変わる」はずなんです。
いわはし
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