出典:栃木県/衣類等の洗濯表示が変わります!~平成28年12月1日スタート~
2016年の12月に、洋服の内タグに記載される洗濯表示が新しくなりましたね。
新しくなった洗濯表示を見ても、パッと見でその意味を理解できるものはほとんどありません。
とても親切とは言えない分かりづらさですが、あの小さな内タグに表示するとなれば仕方のないことです。
でも、それよりも洗濯表示を見て気になることがありませんか?
・・・そうです、よく色々な服のタグに表示されている「水洗い不可」のあのマーク。
ぼくはあのマークを見て、
「この服はコットンで作られているんだから、どう考えても洗えそうなのにな・・・」
と、その服に「水洗い不可」の洗濯表示を付けたブランドを疑うこともありました。
「ウールのコートやレザーのジャケットはまだしも、洗えないTシャツやスウェットってどうなの?」
疑問を抱いたぼくは、それを晴らすべくアパレル店員さんに話を聞いたり、自分で実際に洗って試してみました。
その結果、洗濯表示が「水洗い不可」でも自宅の洗濯機で洗える服もあることがわかったんです。
「水洗い不可」の洗濯表示が示す意味
そもそも「水洗い不可」の洗濯表示がある服って、洗えないならどうやって清潔に保てばいいのでしょうか?
その答えは簡単で、「水洗い不可」の洗濯表示が付いている服はクリーニングに出すのが正解です。
洗濯ができない洋服は、洗えない代わりにクリーニングへ出して汚れを落とすことが必要になります。
・・・ただしこれも、他に併せて付いているタグを確認しながらになりますが。
「水洗い不可」に加えて、「ドライクリーニング不可」の洗濯表示が付いた服は、そもそも清潔に保つことが難しいでしょう。
そういった服は革製品に付いていることが多いです。
レザージャケットは液体に弱いため、水洗いはおろかドライクリーニング(石油系溶剤)もできないんですね。
もしくはウール素材のニット。
編み方に問題はなくとも素材自体が水に弱いため、洗ってしまうと生地が縮んでしまいます。
「水洗い不可」の洋服は、本当にどれも洗えないの?
それじゃあ、「水洗い不可」の洗濯表示が付いた洋服は本当に洗えないのか?
そんな疑問を抱いたぼくは、あるブランドのお店へ行ったとき、そこで働く店員さんに話を聞いてみたんです。
すると返ってきた答えは、
「実際、洗っても問題ない服は多いです。
ただ万が一のことが起こっても責任を取れないので、念のために水洗いができない旨の表示を使うことがあります。」
とのことでした。
そうなんです。「水洗い不可」の表示が付いた服でも、実際に洗ったところで支障のないものはたくさんあるんですよね。
ただし洗って万が一のことが起こっても、それは自己責任で。
「万が一のこと」とは、具体的に言うと生地の縮みであることが多いです。
「水洗い不可」の表示が付いた服には、その素材や製法が影響して洗うと生地に縮みが出ることが考えられます。
コットンニットは「水洗い不可」の表示があっても洗える
アウターはまだしも、インナーとして着る服は着たらできるだけ洗いたいですよね。
そう思っていたぼくは、つい最近コットン生地で作られた1枚のニットを実際に洗ってみたんです。
・・・結果からいうと、何の変化もありませんでした。
ただ、少しでも生地の痛みを軽減するために洗濯ネットは使っています。
洗う服を洗濯ネットに入れたら、あとはいつもと同じように他の洗濯物と一緒に洗う。
いつもと違った点はたったこれだけです。
コットンニットを洗う場合は、洗いの工程に何の問題もありませんでした。
・・・ただし、干し方は少しだけ工夫しなくちゃいけません。
コットンニットは洗えるけど、干し方には要注意
一言にニットと言っても、その編み方には本当に多くの種類が存在します。
コットンニットは素材がコットンとはいえ、あくまでもニット。
製造に手間がかかるので原価は高く、耐久性も高くはないので慎重に扱うべきです。
縦編みコットンニットを干す場合
「縦編み」とはその名の通り、編み目が縦になっているニットのこと。
写真のニットはまさにそうですね。
こういった縦編みニットを干す場合は、編み目が物干し竿とクロスするように干してあげましょう。
大き目の洗濯ばさみでニットと竿を2ヶ所ほど固定してあげると、ニットが風で飛ばされる心配もありません。
(写真が暗くてすみません・・・)
なぜ縦編みのニットを物干し竿とクロスしない状態で干してはいけないのか?
その答えは簡単で、編み目と物干し竿の向きが同じになっていると、ニットが自らの重さで伸びてしまうからです。
縦編みのニットは縦の力には強くても、横の力には弱い。
だから、縦編みのニットを編み目と竿の向きが同じ状況(横に)干してしまうと、生地が重みで横に伸びてしまいます。
つまり乾いた頃には身幅がとんでもなく伸びていた・・・なんて悲劇が起きてしまうんですよ。
そうなると一気にシルエットが崩れて見るも無残な姿になってしまうので、ニットの干し方には気を付けましょう。
横編みコットンニットを干す場合
反対に「横編み」とは編み目が横になっているニットを指します。
こちらも先ほどと同じように、物干し竿と編み目がクロスするよう注意しながら干してあげましょう。
このとき、袖がダランとしているとニットの重みで伸びてしまう可能性があります。
袖もしっかり物干し竿に掛けてあげることを忘れずに。
この干し方は物干し竿の幅を取るので少し厄介ですが、ニットが伸びてしまうよりはマシだと思って我慢しましょう。
縦編みニットとは逆に、横編みニットは縦の力に弱いです。
それゆえ、これを縦に干すとと今度はニットの重みで着丈が大幅に伸びてしまうことがあります。
ニットはいつでも物干し竿とクロスする形で干してあげましょう。
身幅や着丈が伸びてしまうのを防ぐためには、この工夫が必要です。
その他の編み方をしたコットンニットを干す場合
ニットの編み方には本当に多くの方法が存在します。
ここで取り上げるのは、ぼくが持っている縦編みと横編みの合わさった編み方をされたコットンニット。
この場合は基本的に「これじゃないといけない」というような決まりきった干し方はありません。
他の洗濯物の量を見ながら、余った竿の幅に合わせて縦で干すか横で干すかを変えてあげましょう。
ここでは編み方が違う3種類のニットを紹介しましたが、何度も繰り返すようにニットの編み方には本当に多くの種類があります。
紹介した3種類の編み方の場合はまだしも、全てのニットのダメージをこの方法で軽減できるとは限りません。
デザイナーズブランドの、思考を凝らして作られた複雑な編み目のニットはコットン素材でも洗わない方がいいですね。
ケースバイケースでの対応が必要になってきます。
ちなみに、ニットを干すときはどんな場合でもハンガーは使わない方がいいですよ。
干すときに限らず、クローゼットで保管するときもハンガーに掛けると生地が伸びてしまいます。
ニットは必ず畳んでしまっておきましょう。
洗濯表示が「水洗い不可」でも、洗えるかどうかは素材と製法による
ということで、洗濯表示が「水洗い不可」でも、場合によってはコットンニットなら洗えるよというお話でした。
この他にも同じように洗える洋服はあると思いますが、ひとまず確実に被害が出ないのはコットンニット。
他の「水洗い不可」表示が付いているけれど洗いたい洋服といえば、レーヨンやテンセル素材のシャツ。
シャツはインナーにTシャツでも着ていない限り、直接肌に触れるので夏場なら汗が染み込むことも多いです。
これは本当に洗いたいところですが・・・残念ながらレーヨンやテンセル素材のシャツは洗うと見事に縮んでしまいます。
最近では技術も発達して「ウォッシャブルレーヨン」なる、洗っても生地が縮まないレーヨンも出てきました。
確かにレーヨンやテンセルのシャツは風通しがよく夏は涼しいです。
・・・が、汗っかきなぼくは一生着れないアイテムなんですよね。
基本的に洋服は機能性や実用性うんぬんよりも、見た目のおしゃれを重視して作られているものが多いです。
ぼくからすれば「洗えないシャツってどういうことだよ・・・」ですが、それも服の見た目を重視して作られた結果ですね。
レーヨンやレザー、ウールを素材とした洋服は基本的に洗いではなくクリーニングと考えて頂ければ結構です。
カッコイイと思っても、これらの素材を使った洋服(特に肌に直接触れるアイテムの場合)を、ぼくは基本的に買いません。
理由は清潔に保つのが大変だし、毎回クリーニングに出すのはコストが掛かるから。
あなたこれを考えながら買い物をすると、より快適にファッションを楽しめるようになりますよ。
いわはし
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